母を読む 自選自解 (五) 完
○ 母昇天
平成17年9月17日午前9時過ぎ、 母はしずかに昇天しました。
その夜の中天には、煌々とした満月が母を導くかのように輝いておりました。
図らずもその年は、氏神様の秋祭りでした。
97歳の天寿を全うした母を見送るかのような祭り太鼓の響きは、強烈な印象深い通夜でした。
19日の葬儀の日は、ちょうど母の誕生日に加えてその年は敬老の日でした。
あれほど「帰りたい! 帰りたい!」 と云っていた母。 それも叶えてあげられなかった不孝を詫び居る日々が続きましたが、私と過ごした六年間を喜んでくれた母。
三姉妹の中で、夫の転勤で一番遠隔地に嫁いだ筈の私が、夫亡き後、故郷に戻り激動の世の中を何とか生きる事が出来、二人の娘も嫁ぎました。
平成10年には仕事からも解放され、神様のお取り計らいで晩年の母との暮らしが叶ったことは娘としてありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。
渾沌の母は花野を駆け巡り
母昇天煌々たる月に導かれ
母の通夜祭囃子と望の月
母生れし日は敬老の日に野辺送り
母の骨拾ひて素風脊を抜けり
「おとよさま」 とさやかに弔辞賜われり
葬り了へて母に詫び居る夜長かな
母逝けり花野に我を残しまゝ
母逝きて独りとなりぬ月あかり
十六夜の母よ父に逢へましたか?
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