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俳句 「逢 四人展」

  「逢  四人展」拝観ご報告の前に 静岡を代表する俳人熊谷静石・愛子さんご夫妻の略歴をご案内いたします。
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   上図は 熊谷静石氏略歴一覧
 医師でもあり静岡を代表する俳人でもあった熊谷静石(1920~2000)さんと手を取り合って おしどり俳人と愛称され 静岡県の俳句界を先導され俳誌「逢」主宰熊谷愛子(1923~    )さん
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 2011年(平成23年) 主宰米寿を機に25余年に亘る主宰誌「逢」
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の終刊を告げられて早や4年が経ちました。
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 年が明けて早々 お二方を含む 静岡市在住の気鋭の俳人 谷川昇さん(同人誌アネモネ主宰)、俳人、書家でもある最古参の仲田藤車さんの 『時代をつなぐ俳人 逢四人展』が 静岡市葵区の県教育会館で開催されました。
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 会場は静岡の中心街 セノバ近く、県教育会館1階ロビー、新春の光りを受けた明るい会場に一歩足を踏み入れればそこは 俳諧の世界です。
いきなり眼に飛び込んできた俳句は、静石さんの夫婦愛の句にほっこり。
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  手が触れて妻が踊の輪にゐたり   静石
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  松の芯巌打つ涛に揺れどほし     藤車
  落葉焚く元小町てふおばばさま    愛
  小さき恋得るごとアネモネ抱え歩く  昇
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珍しい掛川名産の葛布に書かれた額入り俳句に眼一点集中!
  秋高し隠岐の突き牛名は怒涛    藤車
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  珈琲のむ冬木の見える席が好きで    昇
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  蛍一つ母より父の国へゆく       静石
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  ほうたるよせつせつ水も炎なす    愛子
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  風の盆以来の秋の扇かな       藤車
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  農具など暗くて燕いねゐたし       羽公
  海の陽の空地に彼等の過剰なドリル  兜太
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貴重な 百合山羽公・松崎鉄之助・加藤楸邨・金子兜太・野呂春眠他 有名俳人を掲げた 額入り名句を拝見する事もできました。

  初夢の泪ひとつぶ母のため      寒甫
  音たてて雪渓解けてゐたりけり    鉄之助
  秋燕やめざめて人ハ事多き      楸邨
  もず激し雲に錐もむごと鳴ける     
  ゆく春やこけしの胴の花の色      仰子
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  梅苑は慈悲のふところ人睦む      愛
  美貌なる冬のいちごを貰ひけり     昇
  だきあげしさくら一枝みどりごよ    愛子
  霜柱背骨が音を立てて来る       佳以
  冬晴れのらせん階段錆締まる  佳以
  唐突に伊勢海老が鳴く遠い空     佳以
  生かれて命のありて冬至粥      和子
  教会の裏手や石蕗の花明かり     文明
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   「アネモネの会」は 谷川昇氏主宰
  花葵きつねのむすめ通りけり      昇
  小春なぎ港湾モネの光の底       治
  夕冷の吊橋返す寸又峡         ます枝
  吊し柿したゝる色となりにけり      彰子
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  寒梅や婆と白猫飴を売る  
  熊野路や地下足袋あとに冬すみれ   百合子
  新しき道吉野梅のところまで       
  若き慶喜冬の裾野を駈けし武具     喜美
  燃えつきし月下美人の夢の朝       喜美
  尻を天にそ知らぬ顔のかりんの実   黙善子
  冬ざくら別れし人は尚近く         敦子
  年酒酌む子の席むかし夫の席      敦子
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  石蕗のむかしむかしの艶ばな志     静石
  胸にちひろの少女生きゐて半夏生    愛子
  杜若水は流れて日本海           静石
  葉生姜をゆさぶってゐる雨少女      愛子
  「逢」二十歳菊月のこのときめきハ     愛
  全身を雨の花野に托しけり         愛子
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  縊死もよし花束で打つ友の肩      遼      
  冬帽子かぶればいつも向ひ風       藤車
  味噌田楽しづおかべんもまろまろと    愛
  漂白のいつか桜の色を帯び
  紅梅が眼に入り遠く来てしまふ      藤車
  楸邨忌日本中の猫集まれ         藤車
  白梅に雨も泊りも一夜きり         藤車
  極月の怒涛肴に鬼ころし          藤車
以上の俳句には作者不詳がございます ご容赦ください。
 お許しを得て撮り溜めた画像をムービープロジェクトに編集してみました。
  
 謹告 
 谷川 昇氏(たにかわ のぼる=俳人、「文芸フォーラム静岡」代表 
本名 金原正雄=きんぱらまさお)氏は、平成27年1月23日 胃がんのため県立総合病院で死去されました。79歳。(浜松市出身)自宅は静岡市駿河区。
谷川氏は、「文芸フォーラム静岡」代表世話人を 1996年の発会以来務められ来年は20年を迎える矢先でした。 
俳誌「アネモネ」主宰。1989年に県文化奨励賞、2013年に県現代俳句大賞を受賞されました。

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

ぽちさん
おはようございます。
静岡にこのような著名な俳人がいらっしゃる事を
知りませんでした。ご夫妻でこのように活動されて
いたことは素晴らしいですね。

字も大変美しく、心に迫ってきました。
私もいつの日か、このような俳句が分かるように
なりたいと拝見させていただきました。

投稿: みず | 2015年2月 1日 (日) 09時40分

ぽちさん、おはようございます~
俳句って素晴らしいですよね。
たった17文字の中に凝縮された想いがすべて入っているのですね。
私には到底できません。
ぽちさんもいつもたくさんの句を読んでいらしてすごいなあと思っています。

紅梅が眼に入り遠く来てしまふ
  その情景がよくわかる易しい句ですね。
  もしかして私でもできるかもと思ってしまいました。      

投稿: ひろ | 2015年2月 2日 (月) 07時27分

♪ みずさん
静岡にも著名な俳人はおおぜいいらっしゃいますが
俳句歴まだ浅い私は、実のところ熊谷静石さんの句は
亡くなってから多くを知りました。
奥さまの愛子さんには、三年前の五月に
城北公園のナンジャモンジャの樹の下で
お会いしたことがありました。
美しく聡明な印象深い出会いでした。
今は東京に嫁がれたお嬢さんの処に
いらっしゃると聞いております。

 俳句はたった十七文字に凝縮した独立の抒情詩です。
一句の中に季節感を匂わせているのですから
日本人に打って付けなんでしょうね。

 独り身の私は 拙いながらも句作も
老いの心のよりどころになっているかも知れません。

投稿: みずさんへ ぽちより | 2015年2月 2日 (月) 09時42分

♪ ひろさん
 俳句は老いの心のよりどころと
独り身の私は、歳時記片手に下手ながら
指折り数えて 何とか一句をひねり出している時
こそ、余生の醍醐味と思っております。

 自然を愛し、大自然にふれる多くの
チャンスをお持ちのひろさんのこと、
句作の楽しみも請け合います。

 もし無人島に一つだけ持つ事が許されたら?
PC・iPhoneと云いたいところ 電気も無いし~
『歳時記』と応えましょか!
日本人の心を揺さぶる素晴らしい事柄が
いっぱい詰まっているのですから、、、

投稿: ひろさんへ ぽちより | 2015年2月 2日 (月) 10時06分

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