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2015年2月

10年日記

 日記帳には1年物しかないと思い続けていた10年前、やっと慣れ始めたインターネットを繰っていた時 たまたま「10年日記」のある事を知りました。

6年半続けていた母の介護に明け暮れ 疲れ切った2004年の暮れのことでした。
永年記録し続けた1年毎の日記帳の保存も 何時しか戸棚の奥深くに仕舞い込まれ 今更引っ張り出して読み返す時間のゆとりもない時でした。
インターネットでの買い物に挑戦と云う一念発起で購入したのが2005年~2014年の10年日記でした。
ずっしりとした手応え、チョコレート色の表紙に金箔の文字に威儀を正したのでございます。
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句作に便利な二十四節季の記述 干支や六耀の記載 
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1日分が4行で済む書きやすいスペースに 続ける意欲が湧いてまいります。
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各ページの最下覧の特記事項には、その日のメインになる事の見出しとなり、後日パラパラとひもとけば、旅行の記事、あの時の病気、あの人の訃報、あの事件は、、などなどインデックスとなり検索に便利です。
     十年日記埋め尽くしたり大晦日
  昨年2014年12月31日に書き終えた瞬間 感慨深く 思わず口づさんだ一句です。

思えば1年目の2005年元旦には、6年続いている母の介護に悲鳴をあげている記述から始まっております。
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1999年4月 当時88歳の母が大腿骨を骨折し 看護に当たったのを機に母の介護が始まり、年月を経過するごとに 要介護度5、認知症も悪化の一途をたどり 私独りでの介護の悲惨さが綴られているのを読み返してみますと 細かに記した介護の貴重な体験や 介護される母の心の叫び 母と過ごした日々の事が 走馬灯のように むしろ懐かしくさえ覚えます。
 6人きょうだい唯一私だけが母の晩年を知っているのですから、、、

 10年日記を使い始めたその年の9月に母は逝去。
   その日の記述は克明です。
記述完遂の2014年12月31日には、末弟の死と、そのショックからの体調不良の事 パソコンライフの楽しさ 悪戦苦闘のスマホデビューなど悲喜こもごもが記載されました。

 この10年間 母の死後 残された私の人生 羽を得たように旅も楽しみました。 何より世相に遅れまじと始めたパソコンライフに 水を得た魚のように日夜パソコンにしがみついている様子が我ながら滑稽にも思いますが こんな自分が愛おしくなるのです。

 埋め尽くされた10年日記をぱらぱらっとひもとけば、すべてが思い出深く 懐かしく、プラスマイナスにならせば 幸せな10年だったことに感謝です。
  10年日記は ささやかな「自分史」となりました。
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 昨年初冬 次は10年物にしようか? 5年物にしようか?と あれこれ思案の揚句 後期高齢も顧みず 思い切って10年日記を購入してしまいました!
10年日記を埋め尽くせば私は93歳!  
   頑張れるかしら?

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熱海梅園 平成27年2月

 立春を迎えてからも 冬一番の厳しい寒さに何度か襲われるのは毎年の事ですが、全国的に大雪に見舞われた翌日の2月6日 静岡の平野地は さんさんと注ぐ早春の日ざしに恵まれ 風も無く絶好の観梅日和となりました。

 昨年の晩秋に 日本一遅い紅葉を愛でた熱海梅園に 今回は日本一早い梅の観賞です。
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 JR東海道線富士駅あたりを通過中の電車の車窓からは 雄大な雪の富士山が旅を祝福してくれるかのように  くっきりと眺められます。
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 熱海駅前から梅園までの15分ほどの路線バスからも 穏やかな早春の海が一望できました。
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 「昨日の荒れ模様にくらべ 今日は天気に恵まれてよかったねぇ~」と 口々に 微笑みながら来園者が続々と園内に誘われて行きます。 

 園内には、馥郁とした空気が漂い 59品種472本の紅白梅が植えられてあり 中でも272本が早咲き まだ蕾が硬い木もあり総体的に 3~5分咲きといったところでしょうか。

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咲き初めた梅を愛でながらゆったりと散策。西側の石畳を通り モミジの小径を抜けた辺りには 園内に流れる初川の水を利用して造られた「梅見の滝」があります。

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 正面からだけではなく、流れ落ちる滝の裏側に廻って洞窟のすき間から眺める梅もまた風情があります。まさに「梅見の滝」ですね。

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 3月8日まで「梅まつり」が開催され、この日は絶好の梅日和に恵まれて 多くの観光客で大変な賑わいでした。

 同じ「熱海梅園」でありながら はじらいながら芳香を放ち ほんのりと咲き染める梅と 美しく燃えるような錦秋の紅葉の園内風景の違いは歴然です。

 次の2題の動画で(真ん中の三角印をクリックして) お楽しみください。

【熱海梅園2015年2月6日撮影 観梅編】

 
【熱海梅園2014年12月2日撮影 紅葉観賞編】
 熱海中心街には 早咲きの「あたみ桜」も もう見頃です。
「あたみ桜」は 1月に咲き始め開花期間が1ヶ月以上と永く、1997年に熱海の木に指定され 熱海以外ではほとんど無い「門外不出」の桜だそうです。
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石材職人小八重政弘さん余暇の世界

 1月末の静岡新聞に「天然石にさまざま顔刻む」と題して 面白い記事が載っていました。 
いろんな形の石に刻まれたどれもこれも憤怒?苦悩?思案?の顔、顔、顔。

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 静岡市清水区永楽町の清水銀行高橋支店のロビーで開催中(2月13日金曜日まで)と云う事で、早速観賞させていただきました。
車を持たない私は しずてつジャストライン「大御所パス」利用、北街道線清水駅行き路線バスで らくらく永楽町停留所で下車すれば、、、 
目の前に「お~! 久保田石材の看板が~!」 創業以来80有余年の石材老舗のショールームです。
 折よく 久保田社長さんにお会いし簡単なお話もいただきました。
展示会場は、ショールームの眼と鼻の先 徒歩1分 清水銀行高橋支店ロビーです。
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自然石に刻んだユニークな顔たちの作者 小八重政弘さんは久保田石材の工場長さん。
 ロビーには、整然と展示された小八重さんの作品 顔たちが、迎えてくれるのです。
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 石を立体的に刻み どの顔もけっして温和とは言い難い 世相に憤怒?
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 ムンクの叫びならぬ「文句あり!」と 吐露するような強烈に印象付けられる傑作揃いです。
これらの石のほとんどは三保の海岸で採集したそうで、
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代表作品には、記念碑や墓石の廃材を利用して 気の遠くなるような繊細な彫りなど 芸術品と云っても過言ではありません。
 墓石に文字を刻む加工 いわゆる酸化アルミの研磨剤を吹きつけ、ダイヤモンドの研磨盤(日本軽金属特成)を使用してのサンドブラストの加工技術を生かして 石に立体的な顔を刻むとの久保田社長さんのご説明もいただきました。
 小八重さんは、入社間もないころからこれまで30年間 業務のかたわら 石の加工に慣れようと修行のつもりで 拾い集めた石や、業務の合間に出た廃材で彫り始め、今では神経一点集中する作業のストレス解消にも役立っているとか、、。
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 昨年の第50回静岡美術家連盟展での受賞作品 「羽衣天女の舞」の繊細な作品は神業としか例えようもありません。
 
 小八重さん初の展示された30点の顔、顔、顔たちの画像を ムービープロジェクトに編集し、愉快な石屋ならぬ ヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」のBGMでお楽しみ下さい。
 追伸! 速報!
2月11日付け 静岡新聞朝刊 21面 「この人」に 石彫刻に取り組む石材職人 小八重政弘さんが顔写真と共に紹介されております。

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俳句 「逢 四人展」

  「逢  四人展」拝観ご報告の前に 静岡を代表する俳人熊谷静石・愛子さんご夫妻の略歴をご案内いたします。
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   上図は 熊谷静石氏略歴一覧
 医師でもあり静岡を代表する俳人でもあった熊谷静石(1920~2000)さんと手を取り合って おしどり俳人と愛称され 静岡県の俳句界を先導され俳誌「逢」主宰熊谷愛子(1923~    )さん
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 2011年(平成23年) 主宰米寿を機に25余年に亘る主宰誌「逢」
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の終刊を告げられて早や4年が経ちました。
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 年が明けて早々 お二方を含む 静岡市在住の気鋭の俳人 谷川昇さん(同人誌アネモネ主宰)、俳人、書家でもある最古参の仲田藤車さんの 『時代をつなぐ俳人 逢四人展』が 静岡市葵区の県教育会館で開催されました。
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 会場は静岡の中心街 セノバ近く、県教育会館1階ロビー、新春の光りを受けた明るい会場に一歩足を踏み入れればそこは 俳諧の世界です。
いきなり眼に飛び込んできた俳句は、静石さんの夫婦愛の句にほっこり。
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  手が触れて妻が踊の輪にゐたり   静石
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  松の芯巌打つ涛に揺れどほし     藤車
  落葉焚く元小町てふおばばさま    愛
  小さき恋得るごとアネモネ抱え歩く  昇
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珍しい掛川名産の葛布に書かれた額入り俳句に眼一点集中!
  秋高し隠岐の突き牛名は怒涛    藤車
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  珈琲のむ冬木の見える席が好きで    昇
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  蛍一つ母より父の国へゆく       静石
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  ほうたるよせつせつ水も炎なす    愛子
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  風の盆以来の秋の扇かな       藤車
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  農具など暗くて燕いねゐたし       羽公
  海の陽の空地に彼等の過剰なドリル  兜太
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貴重な 百合山羽公・松崎鉄之助・加藤楸邨・金子兜太・野呂春眠他 有名俳人を掲げた 額入り名句を拝見する事もできました。

  初夢の泪ひとつぶ母のため      寒甫
  音たてて雪渓解けてゐたりけり    鉄之助
  秋燕やめざめて人ハ事多き      楸邨
  もず激し雲に錐もむごと鳴ける     
  ゆく春やこけしの胴の花の色      仰子
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  梅苑は慈悲のふところ人睦む      愛
  美貌なる冬のいちごを貰ひけり     昇
  だきあげしさくら一枝みどりごよ    愛子
  霜柱背骨が音を立てて来る       佳以
  冬晴れのらせん階段錆締まる  佳以
  唐突に伊勢海老が鳴く遠い空     佳以
  生かれて命のありて冬至粥      和子
  教会の裏手や石蕗の花明かり     文明
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   「アネモネの会」は 谷川昇氏主宰
  花葵きつねのむすめ通りけり      昇
  小春なぎ港湾モネの光の底       治
  夕冷の吊橋返す寸又峡         ます枝
  吊し柿したゝる色となりにけり      彰子
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  寒梅や婆と白猫飴を売る  
  熊野路や地下足袋あとに冬すみれ   百合子
  新しき道吉野梅のところまで       
  若き慶喜冬の裾野を駈けし武具     喜美
  燃えつきし月下美人の夢の朝       喜美
  尻を天にそ知らぬ顔のかりんの実   黙善子
  冬ざくら別れし人は尚近く         敦子
  年酒酌む子の席むかし夫の席      敦子
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  石蕗のむかしむかしの艶ばな志     静石
  胸にちひろの少女生きゐて半夏生    愛子
  杜若水は流れて日本海           静石
  葉生姜をゆさぶってゐる雨少女      愛子
  「逢」二十歳菊月のこのときめきハ     愛
  全身を雨の花野に托しけり         愛子
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  縊死もよし花束で打つ友の肩      遼      
  冬帽子かぶればいつも向ひ風       藤車
  味噌田楽しづおかべんもまろまろと    愛
  漂白のいつか桜の色を帯び
  紅梅が眼に入り遠く来てしまふ      藤車
  楸邨忌日本中の猫集まれ         藤車
  白梅に雨も泊りも一夜きり         藤車
  極月の怒涛肴に鬼ころし          藤車
以上の俳句には作者不詳がございます ご容赦ください。
 お許しを得て撮り溜めた画像をムービープロジェクトに編集してみました。
  
 謹告 
 谷川 昇氏(たにかわ のぼる=俳人、「文芸フォーラム静岡」代表 
本名 金原正雄=きんぱらまさお)氏は、平成27年1月23日 胃がんのため県立総合病院で死去されました。79歳。(浜松市出身)自宅は静岡市駿河区。
谷川氏は、「文芸フォーラム静岡」代表世話人を 1996年の発会以来務められ来年は20年を迎える矢先でした。 
俳誌「アネモネ」主宰。1989年に県文化奨励賞、2013年に県現代俳句大賞を受賞されました。

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