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興津の清見寺にて

 「暑いのによく行くわねぇ~」 と、云われますが、熱中症対策は万全に 興津は清見寺の五百羅漢さんに会いに行って参りました。
 東海道線JR静岡駅から東へ四つ目の興津駅で下車 東の由比宿、西の江尻宿に夫々8キロメートルほどの中間点にあり、広重の東海道五十三次のうち17番目に描いたしずかな興津宿です。
 興津には、昭和32年静岡国体にご臨席の天皇皇后両陛下が宿泊として、 また、参勤交代行列の宿場や、大物政治家や文豪が避暑として訪れて 興津を題材にした作品を遺した「水口屋」や 最後の元老と云われた大物政治家 西園寺公望の別邸「坐漁荘」がありますが、興津と云えば清見寺、清見寺と云えば五百羅漢さまです。

 JR興津駅前通りを西に10分ほど歩けば、清見寺に到着。

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石段をのぼり なだらかな坂の真下を走る東海道線を

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眼下に見下ろしながら いよいよ山門を潜ります。

 大方丈の手前には 徳川家康公お手植えの「臥龍梅」があり、その根方には

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<臥龍して法の教えを聞くほどに梅花のひらく身となりにけり> 
    与謝野晶子の歌碑があります。

 臥龍梅の南側には 清見潟をこよなく愛した明治の文芸評論家 高山樗牛の りっぱな碑文「清見寺の鐘声」が刻まれているのですが、その青石も苔生して判読もできません。     傍らの案内板によえば

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<鐘の音はわがおもひを追うて幾度かひびきぬ。   
うるわしきかな、山や水や、偽りなく、そねみなく、憎みなく、争ひなし。 
人は生死の ちまたに迷い、世は興亡のわだちを廻る。
山や水やかわるところなきなり。
おもへば恥ずかしきわが身かな、ここに恨みある身の病を養へばとて、千年の齢、もとより保つべくもあらず。 
 やがて夢のただちに消えて知る人も無き枯骨となりてはてなむず。 
われは薄幸児、数ならぬ身の世にながらえてまた、何の為すところぞ、さるに、おしむまじき命のなお捨てがてに、ここに漂泊の日暮れをかさぬるこそ、おろかにもまた哀れならずや。
 鐘の音はまたいくたびかひびきわたりぬ、わがおもひ いよいよ深うなりつ>

  著名な文芸評論家の なんと重たく深みのある人生回顧碑文でしょうか。

     悔恨の樗牛の碑文朱夏の寺

仏殿の左通路に回れば、砕けたり苔生したりの五百羅漢の石像が彼方此方に点在する光景がぱっと展開いたします。

現世において犯した諸々の悪事を この車を回しながら懺悔して後世の善処をお願いする「後生車」を おもむろに回してみました。 ガラン ゴロンと重たかったこと!

     日盛りや軋む懺悔の後生車

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その傍らには 明治26年に清見寺を訪れた島崎藤村の「桜の実の熟する時」の一節が見て取れます。。

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 本堂横手裏には、江戸中期に仏教の興隆を願って彫像された作者不明の羅漢さまが 皆一様に清見潟の方角を望み、天を仰ぐ人、読経する人、楽器を鳴らす人 さまざまの姿の中には祖父に似た羅漢さんも見らます。

黙して語らず、羅漢様はこの地球を、この世相をなんとおっしゃいますか?

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真夏の太陽もようやく傾きはじめ お一人お一人を覗きこむように 亡き人を偲び供養し冥福を祈りました。

     十薬をしとねに微睡む羅漢さま

     病葉やこの星憂ふ羅漢衆

     清見潟を望み辱暑の羅漢群

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コメント

ぽちさん
五百羅漢へ会いに、私も清見寺を訪れたことがあります。
見た途端、びっくりして、ワッと思ったことを覚えています。
名もなき方々が、彫ったと思われる見事な羅漢様に
度肝を抜かれました。その表情は千差万別で、本当に
面白いですね。
自分に似ている石像があるかと思って見ていたら、
亡き父に、とっても良く似た羅漢さんを見つけ、驚きました。
素晴らしい羅漢さん達ですよね。

清見寺と言えば、あの裸の大将で有名な「山下清画伯」の
貼り絵が思い出されます。あの寺までの階段や、東海道線が
忠実に貼られていて、拝見した時は、地元の者にとっては、
嬉しくて、しばしその場を立ち去れませんでした。

清見寺は、ぽちさんが言われるように、徳川家康公お手植えの
あの梅が有名ですが、私はまだ、咲いたところを
見たことがありません。
ぽちさんのように、梅の頃ゆっくりと、清見寺を訪れて
見たいと思います。自分に似た羅漢さんも探したいです。

投稿: みず | 2013年7月21日 (日) 10時08分

ぽちさん、こんにちは~
清見寺には梅が咲く頃に毎年のように出かけます。
臥龍梅を見るのを楽しみにしています。
でも、ぽちさんのようにそのそばに高山樗牛の碑文があるなんて知りませんでした。
いろいろな方々がここを訪れているのですね。
五百羅漢には圧倒されますよね。
ひとつひとつ丁寧に見ていけば誰かに似ている羅漢様に出会いますね。
あの橋の上から東海道線の電車を見るのも楽しみです。
清見寺の五百羅漢様を拝顔することは、山あり、海ありの素晴らしい景色の中で、さわやかな涼を感じさせてくれますね。

投稿: ひろ | 2013年7月21日 (日) 12時53分

♪ みずさん
 山下清の清見寺スケッチの思い出の立て看板を見ると
裸の画伯の描く姿が脳裏によみがえってきます。
画伯は五百羅漢さまを描いたのでしょうか?
おそらく一体一体を緻密なペン画で描かれた
ことでしょう。(きっと描かれたと思いますよ)

 私は清見寺さんは四季折々に参詣しますが
季節を問わず心が落ち着きます。
後生車を回して懺悔します。 (u_u。)

投稿: みずさん へぽちより | 2013年7月21日 (日) 16時19分

♪ ひろさん
 今まで参詣するたびに 石に刻まれた高山樗牛の
碑文は 判読も出来ないのでほとんど素通りして
おりましたが、やはり気になって、今回は
しっかり 認識してきました。 (*´д`*)ハァハァ

 凡人の私には なかなかこんな境地には
なれず、只 のほほんと生きているのが
恥ずかしかったのでした。
 羅漢さんのいろいろな表情に癒されます。

投稿: ひろさん へぽちより | 2013年7月21日 (日) 16時31分

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