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薬師寺奉納歌舞技と奈良周遊の旅~前編~

 残暑厭が上にも厳しい九月七日白露の日 いつもの旅仲間のYさんから 思い掛けなく 市川海老蔵の「世界遺産薬師寺奉納歌舞技公演」の旅へのお誘いがありました。

     飛鳥への旅の予約を白露の日


Photo_2 地方に住む私にとって 歌舞伎の観賞など高嶺の花と思いこんでおりましたし、薬師寺奉納歌舞伎とは願っても無い機会です。 当然のことながら即座に参加を申し出でました。

 十月三十日 待ちに待ったその日 間髪を容れず 申し込んだ参加者いつもの旅仲間十五名は いつもの名ドライバーさん運転の観光バスに揺られて午前八時静岡を出発。 関ドライブインでの昼食は近江牛のすきやきをぞんぶんに味わい一路飛鳥路へ。

 昼食後は大和郡山市の 臨済宗大徳寺派「慈光院」拝観とお抹茶のご接待にあずかりました。 「茶道石州流発祥の寺」の名の通り、Photo 境内全体が一つの茶席の風情になるように 表門や玄関までの道、座敷や庭園、茶室に通されるまで 茶の湯で人を招く場合に必要な空間一揃えが「石州」の演出そのままに残され 三百年以上の歳月を超えて拝観できる 全国的にも貴重な場所と云うことです。 

Photo_3  丸い刈り込みの庭園を前に お抹茶のご接待に安らぎと落ち着きを戴きました。

 旅すがら小春に憩ふ茶のこころ

                   一服の茶に心根ぞ澄み渡り

 ホテルで早めの夕食をいただいた私たちは 『奈良古典芸能フェスティバル』世界遺産薬師寺奉納歌舞伎公演会場となる薬師寺大講堂境内へ、、、Photo_4  

パラリと降りかけた心配の雨も「お清めの初時雨」と心得て、時折り雲間から満月が覗く会場全指定三千二百席は満席。固唾をのんで開演を待ちました。

 一、 橋弁慶  武蔵坊弁慶を 市川海老蔵  牛若丸を 中村壱太郎

  ご存じ五条の橋の牛若と弁慶の対決から主従の誓いを結ぶまでの 弁慶と牛若丸との立ち回りの場面は まさに見せどころで豪華な曲節も公演ならではの魅力でもありました。

 二、 ご挨拶  成田屋の団十郎茶とも云われる柿渋色の裃袴の市川海老蔵の若々しく凛々しい口上に 三千二百人の観客は一言一句も聞き洩らすまいと聞き惚れました。

 三、 春興鏡獅子 海老蔵演じる小姓の弥生の艶やかな表情の中にも なまめかしい仕草の茶袱紗(ちゃぶくさ)さばきや 二枚の塗扇(ぬりおうぎ)を使っての技巧は見どころでした。 胡蝶に扮した二人の子役の可愛らしい 一糸乱れぬ息の合った舞いも素晴らしく それはそれは見事なものでした。

 獅子頭に惹かれ 獅子の精となった海老蔵が出現し 会場からは「成田屋!」の掛け声が響き、 牡丹の花や胡蝶の精に戯れなどして、次第に獅子が狂い始めるや否や、前代未聞の舞台背景となるのです。長唄やお囃子がクライマックスに差し掛かると 背景の緞帳が切って落とされ 薬師寺大講堂に安置されている黄金の阿弥陀さまが 薄明かりに突如目の前に現れ 荘厳のうちに 夢か現か幻か 幽玄界へと引き込まれてしまいました。 
  (撮影禁止で画像が無いのが残念です)

 こんな事ってあるのでしょうか? 大歌舞伎場でもこんなサプライズはありえません! 世界遺産薬師寺奉納歌舞伎ならではの まさかの演出効果には観衆一同 息を呑み どよめきの声も上がったほどでした。

 夢のような光景です。

    薬師寺に海老蔵舞ふや月明かり

         (かみしも)は柿渋茶いろ宵紅葉

    海老蔵の口上ぞ佳し菊月夜

    満月の飛鳥に狂う鏡獅子

    舞い狂う獅子月光の薬師寺に

    満月に海老蔵獅子の大毛振り

    「成田屋!」の声澄み渡る薬師堂

 舞台は獅子の狂いのクライマックス、激しい十数回もの「毛振り」は「鏡獅子」の後半の眼目で、前半の弥生の優美な踊りから一転しての勇壮な獅子の舞いは十一代目 若き市川海老蔵ならではの魅力的な演技に酔いしれた奈良の旅です。


 

   

 

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コメント

ぽちさん、こんにちは~
今日は雨、冬がいよいよ到来かしらと思うような寒さになりました。
薬師寺奉納歌舞技公演を鑑賞されてよかったですね。
こんな機会はなかなかあるものではないですね。
私は歌舞伎を見たのはたった1回だけです。
でも、その時の感動は今でもはっきりと覚えています。
あの薬師寺で歌舞伎なんてすごいの一言です。
さぞかし興奮高まったことと思います。
いいお仲間がいればこその体験ですね。
いつも素晴らしい経験をされているぽちさんに乾杯!!!

投稿: ひろ | 2012年11月11日 (日) 15時29分

♪ ひろさん
こんばんは
今日は終日冷たい雨となりました。
ひと雨ごとに寒さが増してまいります。

 薬師寺奉納歌舞伎は、「奈良古典芸能フェスティバル」
と題して第一回目だそうです。
深まる秋に海老蔵の鏡獅子は、本当に素晴らしかったです。
 特にクライマックスの瞬間 緞帳が落とされて
背景に現れたのが、阿弥陀さまですから、
言葉に表現できないくらいの感動でした。
 こんな旅が出来た幸せをしみじみ
ありがたいと思います。
 
 次週の旅の続きは、ちょっとリラックスした
旅の締めくくりをお届けする予定です。

投稿: ひろさんへ ぽちより | 2012年11月11日 (日) 19時22分

ぽちさん
ワ~ 羨ましい!!
私、まだ歌舞伎なるものを、見たことがないんです。
良くテレビで、長い髪の毛を付けた頭を振り回すシーンを
見ますが、それを生で見られたぽちさんが、ホントに羨ましい!
一度は、歌舞伎を生で見たいと思いました。
衣装から、舞台装置に至るまで、歌舞伎は別世界ですから
それを生で見たら、どんなにか興奮するでしょう。

今回も、いつもの気の合ったお仲間との楽しい旅でしたね。
いつもいつも、私もこうありたいとぽちさんのブログを
見て思っています。ありがとうございました。

投稿: みず | 2012年11月12日 (月) 08時42分

♪ みずさん
 私とて歌舞伎はTVでしか見た事もありませんでした。
今回はそれにも増して、奈良の薬師寺奉納で「海老蔵」の
鏡獅子ですから もう! こたえられません!
 こんなチャンスは 私には二度と無いかも知れません
から、本当に佳い旅をさせてもらいました。
 何より良き友と健康と
 some money(ギリギリですが) ( ̄ー ̄)ニヤリ
有り難い事と、朝に夕に お仏壇に手を合わせて
おります。

投稿: みずさんへ ぽちより | 2012年11月12日 (月) 10時29分

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