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宇津ノ谷の十団子

Photo_6   JR静岡駅北口路線バス乗り場から国道藤枝線で40分ほどで、「宇津ノ谷入口」バス停に到着。 陸橋を渡って数分も歩けば 目指す旧東海道峠登り口のある宇津ノ谷集落があります。

静岡市駿河区宇津ノ谷の東の麓に 旧東海道に沿って十数軒の古い家が並ぶ集落が残っているのです。 

 集落の中ほどに1590年小田原の北条攻めの際に秀吉から「羽織」

Photo_8 を拝領された「お羽織屋」さんのPhoto_3 手前の露地を右に入り、やがて目に入る赤い欄干の橋を渡れば 十団子(とうだんご)で知られる曹洞宗 慶龍寺です。

Photo  弘法大師の作と云われる延命地蔵尊鎮守、十一面観音菩薩が本尊として祀られ 毎年8月23日・24日には縁日として賑わうのです。

念願叶って23日にお参りにいってまいりました。

 宇津ノ谷峠に向かう集落は 家ごとに屋号を出して タイムスリップして
のどかな佇まいです。

Photo_3

 
 秀吉から陣羽織を賜った「お羽織屋」 伊勢から来た旅籠屋だった「伊勢屋」,清水がこんこんと湧いている「清水屋」、米搗きだった「車屋」という具合にレトロな屋号が人目を引きます。 中には初代のあるじの名 長兵衛さんと妻の金さんの仲睦まじさが そのまま屋号となった「長兵衛金」の夫婦愛には 微笑さえ覚えます。

 Photo_4 この画像は 俳句界では知る人ぞしる 森川許六の俳句の「十団子」です。
地蔵盆で売られている厄除けの「十団子」の伝説は

昔、宇津ノ谷峠に旅人を食う鬼が現れ、在原業平の祈願により 地蔵菩薩が旅僧に姿を変えて鬼と対決しました。旅僧が 人間の姿に化けた鬼に「正体を現せ」と云うと 大鬼に変身したので、「小さくなれるか!」と云うと鬼は小さな玉となって旅僧の手に乗りました。旅僧は持っていた杖でその玉を十粒に砕いて呑みこみました、それ以来鬼の災いが無くなったと云う事です。 その後 道中守護の為に「十団子」が作られるようになったとさ。
 

直径5ミリほどの白い餅を小粒に丸め幾重にも数珠つなぎした 魔よけの「十団子」は 昔は保存食でもあったようですが、今では魔除けとして軒下につりさげます。
宇津ノ谷の十団子は ただでさえ小さいのに冷たい秋風が吹いて一層小粒になったという芭蕉も称賛した俳句

 十団子も小粒になりぬ秋の風   許六 
           (きょりく 芭蕉の門人)

Photo_7

の句碑が 慶龍寺の境内に刻まれております。

 そろそろ心地よい秋風も吹く頃と思いきや、まだまだ残暑厳しく、激しく鳴くミンミン蝉の合奏に合わせるかのように 哀愁をおびた ひぐらし蝉の間延びした鳴き声がこだまして これも宇津ノ谷集落の風情でしょうか。

I  家並みの行く手に見える石段を登り右手を進めば 旧東海道峠登り口へと誘われます。  左手を登れば、心霊トンネルとも云われる明治のトンネルからの霊風を体感する事ができるのです。

残暑厳しいこの日 一気に霊気を呼び覚ましてまいりました。 

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コメント

ぽちさん
こんにちわ~ まだまだ残暑が厳しいですね。

十団子と言うものですから、今日のお話はお団子?
もしかして、みたらし、あんこ、あるいはゴマ?と
勝手に想像してました。
読み進んでいくうちに、厄除けのお団子だったんですね。
その昔は食したようですから、まんざら私の想像も
的外れではなかったかな?
写真で拝見すると、この米の粉で作ったお団子は
わりあい大きく見えますが、かなり小さいもののようですね。
小さくなければ、旅僧が10粒も飲み込めませんものね。
納得です。このような小さな集落に昔から伝わっている
伝説があり、村の人たちがその習慣を守っていることは
興味深いですね。
この暑い残暑の中、宇津ノ谷まで出かけられたぽちさんの
パワーに感心している、みずです。有難うございました。

投稿: みず | 2012年8月26日 (日) 11時24分

♪ みずさん
 今年の残暑は 好天続きで格別の
暑さですね。
何処にいても暑いので、思い切って
バスで出かけます。
できるだけ片陰を選んで 夕方に
外出することにしております。

この日も夕方4時過ぎに 集落めぐりをしました。
 田舎道を歩けば 風の吹き方、杜の匂いに
秋を感じます。

 十団子は小豆粒ほどの 可愛い団子粒です。
こんな狭い集落の事も 江戸時代の許六さんの
俳句のおかげで、有名になっております。

投稿: みずさんへ ぽちより | 2012年8月26日 (日) 16時20分

ぽちさん、こんにちは~
朝晩は少し涼しくなりましたが、まだまだ暑いですね。
私は北アルプスの白馬岳に登っていたので涼しさを満喫していましたが、帰ってきて暑いこと暑いこと。
さて、私も10個のお団子の話と思ってしまいましたよ。
近くにいながら、初めて聞くお話です。
こうしていつもぽちさんに教えていただくことに感謝です。
涼しい風が吹いてくる頃に、宇津ノ谷あたりを散策して、昔の風情を味わいたいです。

投稿: ひろ | 2012年8月27日 (月) 11時39分

♪ ひろさん
 静岡市内にお住まいで「十団子」を
お存じなかったとは、ひろさんもみずさんも
お若いのですよ~。
 バスで30分足らずで宇津ノ谷入口に尽きます。
素晴らしい陸橋を渡って 5分も歩けば
集落に着きますので、独り老体でも簡単に
行くことができました。。
 十団子は 8月の地蔵盆でしか売っておりません。

江戸時代に近江の彦根藩主の許六さんが 
宇津ノ谷の十団子を俳句に詠んだとは
驚きですね。

 北アルプスのお話楽しみです。

投稿: ひろさんへ ぽちより | 2012年8月27日 (月) 17時45分

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