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2012年8月

宇津ノ谷の十団子

Photo_6   JR静岡駅北口路線バス乗り場から国道藤枝線で40分ほどで、「宇津ノ谷入口」バス停に到着。 陸橋を渡って数分も歩けば 目指す旧東海道峠登り口のある宇津ノ谷集落があります。

静岡市駿河区宇津ノ谷の東の麓に 旧東海道に沿って十数軒の古い家が並ぶ集落が残っているのです。 

 集落の中ほどに1590年小田原の北条攻めの際に秀吉から「羽織」

Photo_8 を拝領された「お羽織屋」さんのPhoto_3 手前の露地を右に入り、やがて目に入る赤い欄干の橋を渡れば 十団子(とうだんご)で知られる曹洞宗 慶龍寺です。

Photo  弘法大師の作と云われる延命地蔵尊鎮守、十一面観音菩薩が本尊として祀られ 毎年8月23日・24日には縁日として賑わうのです。

念願叶って23日にお参りにいってまいりました。

 宇津ノ谷峠に向かう集落は 家ごとに屋号を出して タイムスリップして
のどかな佇まいです。

Photo_3

 
 秀吉から陣羽織を賜った「お羽織屋」 伊勢から来た旅籠屋だった「伊勢屋」,清水がこんこんと湧いている「清水屋」、米搗きだった「車屋」という具合にレトロな屋号が人目を引きます。 中には初代のあるじの名 長兵衛さんと妻の金さんの仲睦まじさが そのまま屋号となった「長兵衛金」の夫婦愛には 微笑さえ覚えます。

 Photo_4 この画像は 俳句界では知る人ぞしる 森川許六の俳句の「十団子」です。
地蔵盆で売られている厄除けの「十団子」の伝説は

昔、宇津ノ谷峠に旅人を食う鬼が現れ、在原業平の祈願により 地蔵菩薩が旅僧に姿を変えて鬼と対決しました。旅僧が 人間の姿に化けた鬼に「正体を現せ」と云うと 大鬼に変身したので、「小さくなれるか!」と云うと鬼は小さな玉となって旅僧の手に乗りました。旅僧は持っていた杖でその玉を十粒に砕いて呑みこみました、それ以来鬼の災いが無くなったと云う事です。 その後 道中守護の為に「十団子」が作られるようになったとさ。
 

直径5ミリほどの白い餅を小粒に丸め幾重にも数珠つなぎした 魔よけの「十団子」は 昔は保存食でもあったようですが、今では魔除けとして軒下につりさげます。
宇津ノ谷の十団子は ただでさえ小さいのに冷たい秋風が吹いて一層小粒になったという芭蕉も称賛した俳句

 十団子も小粒になりぬ秋の風   許六 
           (きょりく 芭蕉の門人)

Photo_7

の句碑が 慶龍寺の境内に刻まれております。

 そろそろ心地よい秋風も吹く頃と思いきや、まだまだ残暑厳しく、激しく鳴くミンミン蝉の合奏に合わせるかのように 哀愁をおびた ひぐらし蝉の間延びした鳴き声がこだまして これも宇津ノ谷集落の風情でしょうか。

I  家並みの行く手に見える石段を登り右手を進めば 旧東海道峠登り口へと誘われます。  左手を登れば、心霊トンネルとも云われる明治のトンネルからの霊風を体感する事ができるのです。

残暑厳しいこの日 一気に霊気を呼び覚ましてまいりました。 

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本当の梅干し

 日本人が大昔から愛して止まない食べ物のひとつに「梅干し」があります。

六十余年前の事 食糧難でひもじい思いをしていた十歳代のころの事、やっと手に入れた僅かばかりの尊い白いお米で 母のにぎってくれた梅干のおにぎりの美味しかった事がしみじみと思い出されます。

     運動会母の力のにぎり飯


 今ではスーパーマーケットでいろいろな種類の梅干と云われる梅漬けが売られておりますが 戦後間もない食糧難の時であっても あれは本当の梅干しの味だったと思います。

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 本当の梅干しが食べたくて今年も梅干しをつくりました。
梅雨最中に漬け始めて梅酢が充分に上がる頃、梅雨も明け好天の続く夏の土用三日三晩が梅干し作りに重要なお日和となるのす。

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 昼間の焼け付く日射しを浴び、夜露でしとらせ 翌朝 赤梅酢を浴びて再び土用のお日さまに当てる工程を繰り返す 三日三晩の梅干し作りが重要なカギと云う事です。
 梅の持つクエン酸に太陽のエネルギーの相乗効果で、味も香りも本当の梅干しに仕上がるのです。
こうして今年出来上がった梅干しは 一年寝かせて良い塩梅に成熟を促し塩分を落ち着かせて来年いただくのです。

 真夏の太陽を浴びて カラカラに乾いた赤紫蘇は粉末にして 風味豊かな「ゆかり」も出来ました。 
 熱いご飯にかけても良し、おにぎりにも良し食欲増進に欠かせません。

 私の梅干し作りのもう一つの理由は 白梅酢が目的なのです。
カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンA,B,B1など梅の栄養素がそのまま詰まった梅酢には多くの健康効果、疲労回復、食品の腐敗を防ぐ効果がある良質なアルカリ食品だからです。 特に完熟梅には多くのクエン酸や抗酸化力の高いポリフェノールが豊富に含まれているのです。、、、が、梅酢には塩分が多く含まれておりますので、この塩分をお料理の味付けに使えば通常の塩分を使うより より良い健康効果があると云う事も知りました。

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 以前ブログでご紹介した「稚鮎の白梅酢昆布〆」はもとより、鰹のお刺身、三枚におろした鯵などの白梅酢の昆布〆などは、我が家の夏の食卓の定番となっております。

   本当の梅干し作りは日本の食文化の原点ですね。
 

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谷口淳子さんのパッチワークキルトの世界

 いつもの旅仲間のお一人 物静かなIKEさんに 今まで明かされた事も無かった素晴らしい才能をお持ちのお嬢さんがいらっしゃる事を初めて知ったのは つい最近のことでした。

IKEさんは俳句もたしなまれ、お嬢さんのパッチワークキルトの作品展のことを、句仲間のお一人でもある いつも旅を企画して下さるYさんが小耳にはさんで 「キルト展を鑑賞しに行きましょうよ」と 早速ツアーを企画して下さいました。

 と云う訳で急遽8月2日に総勢17名は 平塚市美術館市民ギャラリーで7月31日から8月5日開催の 『花のキルトで綴る物語』 谷口淳子さんのパッチワークキルトの世界を堪能して参りました。

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この画像は 今回の個展開催案内に載せられた 『ボストン夫人の薔薇』と題した200×200cmもあるタペストリーで 1996年インターナショナル・キルトウィーク横浜に於いて 優秀賞を受賞された作品です。
会場入口に飾られて 花いっぱいに囲まれた三角屋根の家には一家団欒の温もりさえ感じます。
 巧みなグラデーション 精巧な調和のとれた色彩に溜息がもれるのです。

神奈川県タウンニュース秦野版記事より 今回の個展開催の経緯の概略をまじえながら ほとばしる絶賛の言葉を贈りたいと思います 。

「この作品をただ眠らせておくべきではない!」という 淳子さんの職場の先輩の思い付きから 永年縫い溜めたパッチワーク・キルトが10年目の日の目を浴びての個展が実現したということです。 「一生懸命針を運んでいた頃を思い出し、作品に思いを込めたことを振りかえっているうちに,熱い思いが湧いてきて、友人に後押しされながら来場して下さる多くの方々との出会いが楽しみです」と眼を細めます。

 淳子さんがパッチワークを始められたきっかけは、20歳代後半、地域活動で知り合った先生から基本を教えて戴き、小品を作っているうちに 「何かを表現して、、」の思いから、物語性の作品へとのめり込んでいかれたのでした。

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 ご覧下さい! これがパッチワークキルトからなる風景画とは信じられません!

12年ほどボランティアとして通われたホスピスでの出会いや 交錯したさまざまな想いが込められている 『ピースハウスホスピス 命の光の中で』と云うタイトルのタペストリーなど 作品は、権威あるキルトのコンクールで優秀賞を受賞されました。
 僅か数センチほどの小切れをつなぎ合せて 想いを込めた一服の絵画に仕立てあげてしまう 気の遠くなるような緻密な構図と一針一針に込める情熱は 神懸かりとしか云いようがありません。

 『ピースハウスホスピス 命の光りの中で』の作品の前に佇んで 涙ぐむ人も幾人かいらっしゃいました。

 モネの描画を思わせる花いっぱいのキルトで綴る物語りは、ご本人の実体験から生み出された ヨーロッパ絵画そのものです。

Photo_2
メルヘンの世界に誘われる作品など 夢があり信じられない精巧なものばかりです。
 家庭に入り子育てをしながら地域やホスピスのボランティアが切っ掛けで 大学で臨床心理を学び、その知識を生かして40歳代で再就職。「みんな無駄になる事は無く、つながっているのです」 とキルト作家淳子さんは述懐されます。

     一針に想いを込めて星月夜

     命光るキルトで綴るお花畑

 静岡生まれの淳子さんは 幼い頃から本を読むのが大好きだった事も こうした作品が生まれたのでしょうね。

 当日は焼け付くような猛暑日でしたが、会場を埋め尽くした観客からは、「僅か数センチの とりどりの布切れを綴り合わせて 気の遠くなるほど一針一針のキルトの丹念な針運びは 神業としか表現できません。 信じられない!!!」と、異口同音 溜息が洩れるのです。

 子育てをしながら、ガーデニングや地域、ホスピスのボランティアに勤しみ こんなにも素晴らしい才能をもったお嬢さんの事は いつも旅でご一緒していながら 一度としておっしゃらなかった 母親のIKEさんの謙虚さ、奥ゆかしさにも感嘆するばかりです。

 今回のこのブログは私の永久保存版となりました。

  これ以上絶賛の言葉が見つかりません。

 作者淳子さんのお許しをいただいて 夢中でデジタルカメラのシャッターを押し続けました。

人混みの合間を縫って 会場を一巡した動画と、デジカメ初心者の私には うまく撮れませんでしたが 撮り貯めた画像をムービープロジェクトに編んでみました。 ショパンのプレリュードにのせてごゆっくり ご観賞ください。

【会場一巡の動画】 題して 「谷口淳子さんのキルト展」

【ムービープロジェクト】 題して「谷口淳子さんの花のキルト展」 

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自画像をリニューアルしました

 永年使用しておりました自画像は実は10数年前の若かりし頃の写真をもとに描いた水彩画でした。

201230 この度2012年7月現在の自画像にリニューアルしました。

今は亡き母の介護もあって10数年ほど美容院へも行けず

伸び放題を 乙女チックに三つ編みのおさげに

リボンなど付けて気取っておりますが、

10歳代の若かりし頃は この3倍の太さが両方に

それはそれは豊かなものでした。

 ちょっと若づくりしすぎたでしょうか? 
こんなヘアスタイルが
何時まで許されるのでしょうか?

   どうぞお笑いください。

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旅の締めくくりは

京都の夏を告げる「祇園祭」最大イベント 「山鉾巡行」を堪能し、厄病退散を祈願した私たちの今回の旅の締めくくりは、お決まりコース 寿長生の郷(すないのさと)での心安らぐひと時です。
Photo  和菓子作りで有名な寿長生の郷(すないのさと)
「叶匠寿庵」でのお茶席に加えて今年は野趣風雅あふれる自然を愛でながらの 贅を尽くしたランチタイムと洒落こみました。

 
 大津市の南東に位置する寿長生の郷(すないのさと)
「叶匠寿庵」は、幾種類もの樹木が原生する 六万三千坪の丘陵地にあります。
バスを降りればそこはもう別世界。原生樹木の滴る緑に覆われるほどの玉砂利を踏んで、長屋門の涼しげな藍染のれんをくぐり 自然の景観をそのままに、二千本もの梅林の散歩道を抜ければランチタイムとなります。

数寄屋造りの「山寿亭」Photo_3  

では旬の食材で彩られた「つづら弁当」に舌鼓をうちました。

 「清閑居」でのお茶席では 丹精に作り上げた和菓子とお茶でゆったりとした時間の流れを味わいました。

     玻璃の炉の涼お点前にかしこまる

     水指しの梶の葉蓋の風炉点前

Photo_5  

七月は七夕にちなんでの夏のお点前に、私としては初めて  「梶の葉」の由来に接して 涼しさを演出する日本古来の茶人の奥ゆかしさをしみじみと感じました。
 茶道の夏のお点前 涼しさを演出するために 水指の蓋のかわりに 七夕の趣向に合わせて「梶の葉」を使うのだそうです。 そればかりか、梶の葉の裏に七夕にちなんだ歌を書いて書道や茶道の上達を願った先代茶人のゆかしさを知りました。 

     梶の葉にさらりと一筆星祭り

         梶の葉に願いしたため天の川

 ユネスコ無形文化遺産にも登録された日本の重要無形民俗文化財の山鉾巡行、喧騒を離れ、野趣風雅な郷での 贅を尽くしたランチタイムを堪能した私たちは、帰路 図らずも旅を企画して下さったYさんと 名ドライバーさんの特別なお取り計らいで
Photo_6  大津市は文化の花拓いた石山寺に立ち寄っていただき、紫式部が「源氏物語」を書いたと伝えられる「源氏の間」を この目で拝観できた事は大きな喜びでもありました。

  源氏の間静寂破る蝉しぐれ

  べたべたと護符の山門蝉しぐれ

  夏旅の贅を寿ぐ余生かな

 このゆったりとした 刻の流れを満喫できた幸せに感謝をこめて編んだ動画です。 ヘンデルの麗しいメロディ 「私を泣かせてください」に耳を傾けていただきながら ムービープロジェクトをどうぞご覧下さい。

  

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