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2010年4月

手揉み新茶の実演

 四月二十日は暦の上では雨降って百穀を潤す「穀雨」ですが、最近の異常な気象と気温の乱高下で 生きとし生けるもの総てが戸惑っております。

文字通り朝から冷たい雨です。 朝七時前 TV 「当地の今日の動き」 で、静岡県は藤枝市で手揉み新茶の実演のお知らせに「すワッ!」と飛び起きました。

以前から新茶の手揉みをじっくり見学したいと思っていた矢先でした。

Photo  そそくさと 取りあえずデジカメをぶら下げ、一時間余りをバス、電車を乗り継いで、藤枝市役所にたどり着いた時には、すでにロビーいっぱいに馥郁とした新茶の香りが漂っておりました。

 三月末に発生した霜や雹の被害の影響で、一番茶の生育と茶摘みが遅れて前年より十日ほど遅れたそうです。 

Photo_2   「藤枝市茶手揉み保存会」 によってこの日 藤枝市役所で新茶の手揉みを実演し、来庁者に新茶を振舞ってくださいました。

 茶娘に扮した市の女性職員のにこやかなご接待です。

 前日に凍霜の被害を受けなかった藤枝市瀬戸ノ谷地区で摘み取った3キログラムの生葉を、ロビー会場に特設された 焙炉(ほいろ)と呼ばれる畳一畳ほどの台の上で 「手揉み保存会」 の会員が 一人1・5キログラムをゆっくり丁寧に仕上げる工程の実演です。

Photo_3  五時間かけて、じっくり、丁寧に揉みあげた針のような茶葉は、お湯を注ぐと元の葉っぱの形に戻りますが、同じ五時間かけた機械揉みの茶葉は、折れたり壊れたりして一枚の葉としての原型を留めないようです。

 焙炉は和紙二枚を貼りあわせたもので、当初は真っ白な和紙が幾年も使用しているうちに、あたかも革の太鼓のように薄茶色の色合いと張りのある感触です。十年は使用出来るそうです。

 焙炉の表面温度は 65°c、手揉みの茶葉の温度は常に 35°cに保ち、日本古来の和紙の焙炉で、じっくりと時間を掛けて水分を飛ばし、うま味を内に封じ込め、針のように揉みあげて日本の美味しい手揉みのお茶が仕上がるのです。

 お茶に対する情熱と、熟練した茶揉みの技法によって、艶のある ひと葉、ひと葉が 針のように細く仕上がった手揉み新茶は まさに芸術品です。

 色と香り、口に含み転がすように味わえば、ほろ苦みのあと こくのある甘味が口いっぱいにひろがって、、、

「あァ! 日本人に生まれてよかった!」  癒される瞬間です。

 折よく手揉み実演を動画に収める事が出来ました。 じっくりご覧ください。

      初摘みの柔々一芯二葉かな

     (はつづみのやわやわいっしんにようかな)

     次世代へ茶ごころ伝ふ新茶揉み

     (じせだいへちゃごころつたふしんちゃもみ)

     ねんごろに新茶揉む眼の泰けさよ

     (ねんごろにしんちゃもむめのやすけさよ)

     新茶揉む名工の篤き掌

     (しんちゃもむめいこうのあつきたなごころ)

     名工のいとほしむがに新茶揉む

     (めいこうのいとおしむがにしんちゃもむ)

     新茶揉むほどに焙炉の色優り

     (しんちゃもむほどにほいろのいろまさり)

     新茶汲む終の一滴玉の露

     (しんちゃくむついのいってきたまのつゆ)

 

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「ゆめいろのえのぐ」で水彩画

 私がパソコンに興味を持った切っ掛けは、森前総理大臣の 「IT革命!」 提唱のあおりからでした。 

2000年(平成12年)の秋、母の介護の明けくれからの気分転換で、パソコンが何であるかも分からないまま、パソコン教室に通い始めました。 当初は訳の分からないカタカナ用語に戸惑うことばかりでした。 三歩前進二歩後退、喜んだりつまずいたり、習うほどに楽しく、奥の深いパソコンです。

 昨年の秋 パソコン教室 で レイヤーなどの複雑な操作も無く  簡単に描ける お絵描きソフトのダウンロードを教わりました。 「ゆめいろのえのぐ」 です。

 元々絵心も無い私の事、カーソルさばきの ブルブル震える操作で、果たして水彩画など描けるのかしら?と、いぶかしげに思いながら始めたのでした。

 Photo インストラクタの適切なご指導と、東京工業大学メディア学部の研究製作された 文字どうり夢のような素晴らしいペイントソフトで、パソコン画面に本物の絵具のように描く楽しみを味わったのです。Photo_2

 それに加え、今回の講座で 描き貯めた数々のパソコン水彩画? をランダムに並べ、好きなメロディをバックに流してブログに掲載する操作も学習いたしました。

 「老い木に花」 とまでは行きませんが、メンデルスゾーンの 「春の歌」 のメロディにのせて、恥ずかしながら、、、、 

『ゆめいろのえのぐ作品集』 として載せてみました。 ご笑覧ください。

     うららかや恥の描き捨て自画自賛

     ゆめいろにカーソルさばくおぼろの夜

     飽きもせでパソコン水彩宵の春

     茶の花やぽっとパソコンキャンバスに

     カーソルのぶれてコスモス揺れにけり

     息詰めてマウスで描く式部の実

     熟れ初めしいちじく描く日の静か

     (うれそめしいちじくえがくひのしずか)

     斑雪嶺の穂高はマウスの意のままに

    (はだらねのほだかはマウスにいのままに)

     キャンバスに光るかぶらの白き肌

     レンコンの穴のめでたき喜寿を祝ぎ

     (れんこんのあなのめでたききじゅをほぎ)

     蓮の実の弾けて憂ふことなかれ

     (はすのみのはじけてうれうことなかれ)    

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結構いけます! 漬け物にワイン

 旅の楽しみに欠かせないものに、何と云ってもその土地で戴くお食事です。

今回の旅は京都ですから当然のことながら京料理です。

 初日のランチタイムは、「おばんざい」の 当世はやりのバイキングでした。

こじんまりと落ち着いた雰囲気の食事処、二十数種類の 「おばんざい」 が処せましと大鉢、大皿に盛られ、どれもこれも はんなりと美味しそう!

 そもそも 「おばんざい」 とは何でしょうか?,,,『京都のおばんざい』から、

旬の素材、手じかな食材を手間ひまかけずに使い切るお献立の数々。

一般家庭では、日持ちがしない料理は 食べ残しの無い分量だけを作り、足りない分は作らない 合理的な伝統の家庭料理の事なのだそうです。  つね日頃は質素の暮らし、晴れの日こそ手によりを掛けて作ったり、仕出し屋さんのお料理でお客様をもてなすと云う、、、 この方がかえって安上がりで、内々の恥を見せずに済むと云う 京都らしい先人の教えなのですね。

Photo   夕食は世界文化遺産の天竜寺近く、純和風ホテルの 「本日のお献立」 も仰々しく、  先附け、お造り、お凌ぎ、炊き合わせ、焼き物、揚げ物、留め鉢、近江米こしひかり、香の物、留め椀、デザートと云った会席料理でしたが、、、その夜は、今回の旅のメイン 「嵯峨大念仏狂言」 が六時半からとあって、大忙しの晩餐でしたが、いづれも料理長推奨の京都ならではのお料理に 舌鼓を打ちました。

  さぁ! 「結構いけます! 漬け物にワイン」 のお話です。

 翌日の旅のスケジュール、比叡山延暦寺詣での前に、事前に予約を入れておいた 

 京漬け物の 「西利本店」 (←クリックしてください)でのこと、 ここでは予約しておけば店の二階の試食フロアーで、数種類の漬物の試食ができるのです。

Imgef13a170zikbzj   ← 試食用の厚紙のお皿がオシャレです。 ルンルン気分の私たちは 思い思いの漬物をお皿にとっての試食を楽しみます。もちろんウーロン茶もいただけますが、嬉しい事に程よく冷えた辛口で すっきり軽い白ワインもサービスされ、紙コップのワインを傾けながらのポリポリ、パリパリは呑めない私も 「甘露!かんろ!」 のひと時でした。

   漬け物好きにはこたえられません。

 一階のお土産売り場も賑々しく、品選びも旅行の楽しみの一つです。 「西利さん」 からのお土産までいただいて、バスは比叡ドライブウェーへと向かったのです。

     お会席忙しく食みてお松明

     (おかいせきせわしくはみておたいまつ)

     花菜漬け粋にもてなす京の店

     (はななづけいきにもてなすきょうのみせ)

     酢茎にワイン添えて旅人を喜ばす

     (すぐきにワインそえてたびとをよろこばす)

     花菜漬ワイン傾け 「おヽ! 甘露!」

   (はななづけワインかたむけ「おヽ!かんろ!」)

     宜しなへ酢茎に辛口ワインかな

     (よろしなへすぐきにからくちワインかな)

     花菜漬はんなり春を呼び覚ます

     (はななづけはんなりはるをよびさます)

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根本中堂 修学旅行の思い出

 激しい夜来の雨も朝にはすっかり上がり、昨夕の 「化野念仏寺」の侘しさや、神秘的な 「嵯峨野大念仏お松明」の壮観 興奮覚めやらぬ二日目の旅の始まりです。

 浅い春の光が射し始める午前中に バスは比叡ドライヴウェイをひた走り、比叡山延暦寺へと向かいました。

 Photo  標高840m山頂、僅かに残雪も見られましたが、西に京の都、東に琵琶湖を望む幽玄の境地にある比叡山延暦寺は、遠目にも芽吹き始めた樹木が霞んで見える事から、確かに春を迎えようとしております。

 Photo_3

 延暦寺は、今回の盛り沢山の旅のスケジュールのひとつですが、諸堂めぐり は叶わず、東堂のご本尊秘仏薬師如来さまがお在す 国宝 根本中堂一時間余りの参詣でした。

 【比叡山の教え】  (比叡山延暦寺パンフより)

 《千二百年前、伝教大師 最澄は、日本の国の安泰と 国民の幸せを祈って、日本人に合った仏教を比叡山に開きました。  その教えの根本をなすものは、「個々が思いやりの心を持って、一隅を照らす人になる」 一人ひとりが相手の気持ちに立って考え、自分の出来る事を精一杯行う事が、周囲に良い影響を与え、世間が良くなって行くことにつながる と云う事です。 後世このような教えに基づいて、様々な高僧が集い、特に鎌倉時代には 法然、栄西、親鸞、道元、日蓮など と云った祖師の方々が比叡山で修行されました。》

 今なお 修行道場として厳粛な雰囲気が満ちております。

僧兵の拠点として有名ですが、戦国時代には織田信長によって焼き討ちにもあいました。

 まだ寒さが残る季節でしたが、枝から枝へ飛び交う野鳥たちの楽園とあって、さえずりが何とも穏やかな雰囲気をかもしてくれます。

Photo_4   根本中堂の石塔の前に佇めば、遠い昔  修学旅行でこの石塔の前での記念写真が思い出されます。 

修学旅行は終戦五年目の秋のこと、当時食糧難の最中、一人ひとりが配給制度の尊い五合ほどのお米を、古い手ぬぐいや晒しで縫った布袋に入れて、旅館へ持ち込んでの宿泊でした。 現代っ子には、想像すらできませんね。

 あれから六十年 無事に生き永らえた元気な喜寿を祝して、おもいっきり力を振り絞って、梵鐘を一打いたしました。

     遠き日の叡山詣でや鳥雲に

     (とおきひのえいざんもうでやとりくもに)

     僧兵の駆けし比叡の余寒かな

     (そうへいのかけしひえいのよかんかな)

     笑い初めの叡山詣でやゆくりなし

     (わらいはじめのえいざんもうでやゆくりなし)

     静けさを囀り合ふて枝渡り

     (しずけさをさえずりあってえだわたり)

     叡山のあな尊しや鐘おぼろ

     (えいざんのあなとうとしやかねおぼろ)

     鐘ひとつ撞いて祝ふや喜寿の春

     (かねひとつついていわうやきじゅのはる)

 

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