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五十回忌祥月命日に、、、

 平成二十二年三月九日は、亡夫の五十回忌にあたります。

思えば、1955年(昭和三十年)二十三才の私は三十才の国家公務員と簡単なお見合いで結婚をしたのでございます。  身上書一通、健康診断書一通には胸部レントゲン写真を添付しての交換。  真面目で温厚な性格、健康そうな体躯と国家公務員と云う堅い職業に何のためらいも無く、嫁いだのでした。

 生まれ育った土地を一歩も離れた事の無い私が、親戚も友人もいない、その上新幹線もまだ開通していない遠い地方へ、性格も考え方も何一つ分からないまま、ただひたすら夫となる人に従っての結婚でありました。

 二人の娘に恵まれ、結婚して五年目の三月に健康なはずの夫は突然 「縦隔胴悪性腫瘍」(じゅうかくどう・・・肺と心臓の間 あくせいしゅよう) に侵され、当時がん治療の最先端 「コバルト60」 が新設された第一号患者として臨床。一年後の昭和三十六年(1961年)三月九日に還らぬ人となりました。

Photo   その闘病一年間の壮絶な記録は、私の拙い手作りのエッセイ集 『つぼすみれ雑感』 の中の 「手紙」 にありますが、いまそれを読み返しておりますと熱い涙がこみあげてまいります。

 当時五才と 三才にも満たない二人の幼い娘の養育と 母子三人の暮らしは容易なことでは無かったはずでしたが、日本の国の高度経済成長と、周囲の温かい恩恵で 何とか切り盛り出来た事と、今のささやかながら 安泰の暮らしが夢のようでございます。

  今年も命日にお墓参りに行ってまいりました。

 明るい日差しの弥生三月を、待ちに待って誰しも心弾んで迎えますが、私にとっては、夫の癌発症と永遠の別れの三月は、スギ花粉も飛散する嫌いな月なのです。

     祥月の寒い三月大嫌い

     寂しさと春の寒さを夫の忌に

     啓蟄や寡婦を守りて半世紀

     のどかさを心情として余生かな

 七十七才喜寿の妻が、亡夫の弔い明けとなる五十回忌を執り行うなど 自慢にもなりませんが、世間では 滅多に聞く事はありません。

 このたび、当時三十才そこそこの 若かったころの夫の 「花見弁当を楽しむ遺影」 にならって、弔い明けの五十回忌の法事は、春たけなわの四月中旬に執り行うお知らせを 縁者に投函したところです。

 永かった五十年の歳月が夢のように流れました。

艱難辛苦、喜怒哀楽が走馬灯のように思い出されますが、すべての物事が良い方向に流れて 今の私が或る事は、やはり亡夫の加護あっての事と感謝の日々でございます。

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コメント

ぽちさん
今週のブログを、心正して読ませていただきました。
50年も前の若き日に、しかも二人の小さなお子さんを抱えての
ご主人様の他界は、どんなにか辛く悲しいものだっただろうと
推察いたしました。
難しい病名の癌に、さぞぽちさんは驚かれたことでしょうね。
ご主人亡き後、お一人でお二人のお子さんを育て上げた、
ご苦労は、いばかりかと、じーんと胸にせまってくるものが
ございました。ぽちさんが、この春先のシーズンが嫌いな訳が、
よーく分かります。周りが明るければ明るいほど
切ないものです。
それでも今は、いろんなことに、興味を持たれ、楽しく過ごして
いらっしゃる御様子、心から安心しております。今までの
ご苦労が、報われているということですものね。
どうか、十分に今の生活を楽しんでくださいね。
花冷えの日あり、初夏のような日ありで、天候が
落ち着きませんが、お互いに健康には気をつけましょうね。
ではでは、また みずでした。

投稿: みず | 2010年3月15日 (月) 09時23分

ぽちさん
親の五十回忌もなかなかできないものです。
ご主人の五十回忌をやられるぽちさんの人生はお辛いことも山ほどおありだったことと思いますが、ぽちさんの素晴らしい行動力や思考力が周りの人達にも伝わって、きっときっと暖かく接してくださったことと思います。
やっぱり人生の大先輩はすごいです。
ご主人はぽちさんを見守りながら感謝なさっていることでしょう。
そして病気をみんな持って行ってくれたと思います。
いつまでもいつまでもこのブログを楽しませてくださいね。
ぽちさんファンのひろでした。(* ̄ー ̄*)

投稿: ひろ | 2010年3月15日 (月) 15時20分

ぽちさんのブログの文章とみずさんひろさんのコメントを拝読し、私も涙しました。

ご主人様の「加護あっての」・・・ぽちさんの信じる想いは間違いないと思います。

ご主人様は、短い人生だったかもしれませんが、ぽちさんとご結婚できたこと お二人のお子様に恵まれたことは間違いなくお幸せだったことと思います。

投稿: ゆーこりん | 2010年3月15日 (月) 16時21分

♪ みずさん
何故か今回のブログは、重~い内容でした。
読んでくださる皆さまに、暗い雰囲気を投げかけてしまった事を
少し悔んでいる dog です。
 人体に 「縦隔胴」 と云う難しい名前の部位など、私自身も初耳で、五十年経った今でも耳にした事はありません。
 当時でも 「文献にもありませんが、、!」 と主治医からききました。 肺と心臓の間の空洞のことだそうです。

 自分を信じて 前向きに歩めば何とかなる、、の一念でした。
それには やはり健康第一ですね。
 いただくコメントに励まされております。 有難うございます。

投稿: みずさんへ ぽちより | 2010年3月17日 (水) 09時52分

♪ ひろさん
亡夫の五十回忌を遺された喜寿の妻が、、、
というところが「ミソ」 でして、というところでしょうか?

と、云える安泰が有り難く、感謝の日々です。

実は、五年前に亡くなった母の介護中 「母の百才のお祝いと、亡夫の五十回忌と私の喜寿の祝いを一緒にやりましょうね。」 と元気付けておりました。
世の中 独りでは生きていけません。 周囲の方々の恩恵あってこその今の私です。
 そんな思いで諸々に感謝しながら余生を穏やかに過ごしたいと
願っている dog です。

 拙いブログをご覧戴きあたたかいコメント嬉しい限りです。
 

投稿: ひろさんへ ぽちより | 2010年3月17日 (水) 10時19分

♪ ゆーこりんさま
 見合い結婚して 数年足らずの死別で、実のところお互いの
事がまだ良く解らないままでしたから、主人の良い部分しか
私には残っておりません。

 「健康は何にも勝る宝」  と云うことを、夫の死によって再認識いたしました。
 健康で、前向きに生きれば何とかなる!
が、dog の心情です。 

 奥が深~いパソコンです。 教えて戴く事が山積です。
ご指導よろしくお願いいたします。

投稿: ゆーこりんさまへ ぽちより | 2010年3月17日 (水) 10時43分

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