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嵯峨大念仏狂言と釈迦堂のお松明

 春を告げる京都 清涼寺・嵯峨釈迦堂のお松明式は、毎年三月十五日の 「涅槃会」に執り行われます。 大文字の送り火・鞍馬の火祭と並んで、京都の三大火祭として受け継がれております。

 いつもの旅のお仲間と行って参りました。

清涼寺へは夕暮れ時に着きました。 闇にそびえる迫力ある総門に圧倒されます。

 旧暦二月十五日の夜半にお釈迦さまは八十才で涅槃に入られました。

Photo_2  この日は、釈迦堂の狂言堂で 「お松明式」の前に 「嵯峨大念仏狂言」が行われます。  壬生狂言・閻魔狂言と並んで三大狂言のひとつです。

鎌倉時代、円覚上人が庶民に仏の道を説くために演じられたと伝えられます。

 ガンデンデン・ガンデンデンのお囃子での無言劇で、国指定重要無形文化財です。

折よく最終の六時半からの演目 「土蜘蛛」 を観る事が出来た事はラッキーでした。

 「土蜘蛛」のあらすじは、平安中期の武将 源頼光(大江山酒呑童子征伐)は、家来と酒宴を開きますが、気分がすぐれず床に着いてしまいます。 家来たちが控えの間に立ち去った後、頼光の病の原因である土蜘蛛が現れ、太刀回りとなるのです。 騒ぎに駆け付けた家来たちに頼光は、土蜘蛛の退治を命じます。 激しい大太刀回りの末 蜘蛛の首を取り退治すると云うもので、土蜘蛛がパッと大きく糸を投げる場面がこの狂言の見せ場です。

 糸を投げる場面が幾度かあって、手ぐすね引いて見守る観衆は、その都度 大きな溜息にも似た「ウォー!」 と歓声を上げるのです。 

     春時雨女連れ立ち嵯峨狂言

     (はるしぐれおんなつれだちさがきょうげん)

     ガンデンデンと囃す狂言涅槃講

     (ガンデンデンとはやすきょうげんねはんこう)

     春雨も小粒となりて嵯峨狂言

     (はるさめもこつぶとなりてさがきょうげん)

     「ハヤガネ」の狂言に酔ふおぼろの夜

     (ハヤガネのきょうげんにようおぼろのよ)

     狂言の見せ場栄やして春の宵

     (きょうげんのみせばはやしてはるのよい)

 釈迦堂の 「お松明」は、護摩の火にお札をかざして 「お焚きあげ」の後 松明の周りを三週する高張提灯の行列と、朗々とつづく読経のあと、夜八時半一斉に大松明を焚いて、お釈迦さまの荼毘の様子を物語り、その燃え具合でその年の稲作の吉凶を占うと伝えられております。Photo_5

 約7mの高さに組まれた三基の逆円錐形の大たいまつ 早稲(わせ)・中稲(なかで)・晩稲(おくで)に火がともされ、春浅い嵯峨の夜空に勢いよく炎が舞い上がります。

 パチパチと燃え盛る炎に歓声も上がり、熱気で顔もほてり、降り注ぐ火の粉で さしている傘にも焦げ穴が開いてしまうほどです。

 当日の天気予報は、激しい雨脚と報道されて心配しましたが、狂言を楽しんでいる時も、燃え盛るお松明の時も雨も小粒で その炎上する様相は荘厳かつ神秘的で、筆舌に尽くし難いものでした。

     かそけしや高張提灯春時雨

    (かそけしやたかはりちょうちんはるしぐれ)

     涅槃会のやおら火の入るお焚きあげ

     (ねはんえのやおらひのいるおたきあげ)

     釈迦堂を闇に浮かせてお松明

     (しゃかどうをやみにうかせておたいまつ)

     お松明の紅蓮に人垣どよめきぬ

     (おたいまつのぐれんにひとがきどよめきぬ)

     燃え盛る火の粉浴びるやお松明

     (もえさかるひのこあびるやおたいまつ)

     お松明を納め安堵の京ことば

     (おたいまつをおさめあんどのきょうことば)

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コメント

ぽちさん
京都へは毎年行っているのですが、恥ずかしながら「清涼寺」は知りませんでした。お松明式や嵯峨大念仏狂言のことはもちろん知りませんでした。
土蜘蛛の狂言をゆっくり見せていただきました。
糸がぱっと出る所は本当に素晴らしいですね。
その様子を撮っているぽちさんも素晴らしいです。
要を得た文章を書き、たくさんの俳句を作り、動画を撮り、ぽちさんのスーパーウーマンぶりに感嘆しております。
いいものをたくさん見せていただいてありがとうございました。

投稿: ひろ | 2010年3月21日 (日) 14時12分

ぽちさん
火祭りは、とても神聖なお祭りですね。
お祭りのいい時に遭遇し、動画もしっかりとその時の
様子が映し出されていて、楽しめました。
狂言も、言葉遣いなどが難しくて、敬遠されがちですが
ぽちさんの解説にあるように、内容がわかっていれば、
きっと、楽しめるものだと思いますね。
いいお仲間と旅。これって、最高ですよね!
これから、益々良い季節になりますので、
旅を楽しんでくださいね。
あ~!私も何処かへ、行きたくなっちゃいました。
ではでは、また( ^ω^ )

投稿: みず | 2010年3月21日 (日) 14時20分

♪ ひろさん
 3月15日は各地雨が激しく降ったようでした。
雨に降られるのを覚悟で臨みましたが、
  喜寿揃いのパワーでしょうか?

狂言とお松明の時は、ほとんど小雨ですみました。
 風の無い穏やかな夜でしたので、お松明の盛んに
燃え上がる火の粉も、さほど遠くへ舞い上がらなくて
小雨程度でむしろ良かったのかもしれません。
(20日の御殿場の野焼きの惨事を思へば、、、)

 終わって宿に着いた途端に、雨脚が強くなったのでした。
翌日はすっかり上天気に恵まれました。

 京都もまだまだ知らない事がたくさんあります。
足腰元気と、ボケないうちに楽しまなければね!

投稿: ひろさんへ ぽちより | 2010年3月22日 (月) 13時29分

♪ みずさん
お釈迦様の荼毘の様子を物語る「お松明式」ですから
なおの事、幽玄の境地でした。
 ただただ夢中で動画のシャッターを押し続けました。

狂言の舞台が二階の高さにあって、観客は屋外に並べられた
ベンチで観るのですから、ほとんど上半身の演技しか撮れませんでした。

 無言劇ですが、多少でも あらすじが分かっていましたので、  あの「見せ場」を何とか収録できました。

旅のお仲間は、皆さん私より1年後輩です。 いつも快く誘って頂いて本当に有り難い事です。 パワーも戴いております。

投稿: みずさんへ ぽちより | 2010年3月22日 (月) 13時45分

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