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2009年9月

頑張らなくてもいいのよ!

 Uさんとは今から48年前、たった一年間だけご一緒だった職場の同僚でした。

彼女は私より一回りも若く、チャキチャキの女の子、アイドルのような存在で職場の花でした。

 数年前 母の手を引いての散歩の途中、何十年振りに Uさんにばったり出会った時のこと、彼女は職場こそ変わったものの、まだまだ キャリアウーマンそのものでした。 数分の立ち話で、「母ひとり、子ひとりの嫁かず後家なのよ! ワッハッハァ!」と快濶そうにペダルを踏んで立ち去りました。

 あれから五年経った先日の夜更け、思いがけない Uさんから電話がありました。  「わたし、もう疲れちゃった!」 脳梗塞で倒れた母親の介護で、別人かと思われる沈み込んだ口調で 切々と訴え、独りでこの先どうしたらいいのか? と云うのです。

 あの快活に笑って立ち去った直後から、母親の介護が始まり、一切のお世話を独りでされていると云う事でした。 早くに父親を亡くされ、殊のほか母親思いの Uさんは、食事の世話から お下の世話まで 娘として当然の事だと誇らしげに話しはするものの 「先の見えないこんな状態が 一体いつまで続くのでしょうか? わたしもう疲れちゃった!」 と涙声です。

     泣くための友の電話や夜半の虫

     (なくためのとものでんわやよわのむし)

     介護地獄を泣かれ母の忌九月かな

     (かいごじごくをなかれははのきくがつかな) 

 何事もまじめ一徹で、他人には任せられない Uさんの切羽詰まった訴えです。

思えば 私も数年前 Uさんのような先の見えないつらい介護で、心身ともに どうにもならない処まで追い込まれた事がありました。

 自分がダメになれば すべてが不可能になってしまいます。

私の体験から、頑張れるところまで頑張ったら、介護地獄から抜け出す手段として、後は社会の介護制度を上手に利用させていただきながら、いわゆる手抜きの介護、頑張らない介護の提案を Uさんに話すほかは慰めようはありませんでした。

 介護制度は、介護を受ける人の為は基より、介護する人の為にもある有り難い制度なのです。

 当時、気乗りのしない母をなだめて、お迎えのディサービスの車に乗せ 「いってらっしゃーい!」 と作り笑顔で手を振って見送った私は、いそいそと小さな旅で気分転換を試みたり、趣味にいそしんだりして 吾が身を気遣いました。

母亡き後の独りの余生を 如何に過ごすかも大きな課題でした。

 そんなさ中に パソコン教室の門戸を叩いた事も、今となってみれば良い決断だったと思います。

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  こんな重く切ない話題の時になんですが、、、 このたび 年寄りの冷や水ですが、You Tube へ動画のアップロード デビューしました。

私達の街の憩いの場のひとつ、常磐公園の夜景 「水と光と音の共演」 です。 照明に合わせて大小の噴水がリズミカルに踊ります。

夜のスペシャルショー  

  4-9月19・20・21時  10-3月 18・19・20時

大きな地図で見る

 どうぞごゆっくりお楽しみください。

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咲かねばならぬ!

 昼間はまだまだ陽射しも強く パラソル無しでは外は歩けませんが、朝な夕なはめっきり涼しくなりました。 今日は秋のお彼岸入りです。  たった今お墓参りから戻ったところです。

 9月17日は母の祥月命日でした。 平成17年9月17日午前9時17分、享年97才で天に召された母の祥月命日は、その同時刻には墓前に手を合わせるのが私のならいとなっております。

 今年もバスと電車に乗り継ぎして、40~50分かけて墓参に行ってまいりました。 県庁前で停車中のバスの車窓から思いがけない光景が目に飛び込んできました。

 3 8月11日の駿河湾地震、震度6弱で無残に崩壊した駿府城濠垣の残骸から真っ赤に燃えて彼岸花が咲いているではありませんか!

 咄嗟にバスを降りようとしましたが、シニアが勇み足では転倒の恐れがあると、思い直して次の停留所でバスを降り 引き返して現場へ向かいました。

2~3日前にこの近辺を歩いた時には気付かなかった彼岸花も、体内時計を持っているのでしょうか、季節になればどんな天変地異があろうとも律儀に突然姿を見せてくれるのです。

 瓦礫の中から 「咲かねばならぬ!」 と一途に、、、 それとも遠い昔、城下の恋に狂った怨念が この時期になると再び燃え盛るのでしょうか?  その姿に私は一瞬息を呑む思いがいたしました。

     彼岸花「イエス・ウィ・キャン」と瓦礫跡

     (ひがんばなイエス・ウィ・キャンとがれきあと)

 思えば戦前生まれの私たちも、敗戦のどん底から這い上がり、努力を重ねて来たからこそ今日があるのですね!

     奈落より蕊震わせて彼岸花

     (ならくよりしべふるわせてひがんばな)

     地震後も意志貫きて曼珠沙華

     (なゐあともいしつらぬきてまんじゅしゃげ)

     遠き世の恋狂いかも曼珠沙華

     (とおきよのこいぐるいかもまんじゅしゃげ)

2  昨年ここを訪れた時は穏やかな日和で、詠んだ素直な句を懐かしく偲びました

 

      濠垣の樹下を灯して彼岸花

     (ほりがきのじゅかをともしてひがんばな)

     天上の花とやゆかし曼珠沙華

     (てんじょうのはなとやゆかしまんじゅしゃげ)

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敬老の日

 玄関のチャイムが鳴って町内会長さんが来訪されました。

「このたびはおめでとうございます」 とおっしゃりながら、市役所からの「敬老祝い金」 と書かれた「のし袋」を差し出されました。  ・・・? 母はすでに亡くなっているのに何かの間違いでは、、?  とっさに私は、母の介護中毎年9月になると町内会長さんが 市や学区連合町内会からの「敬老のお祝い」を届けてくださったことを思い出したのです。

 Photo 「喜寿のお祝いです! おめでとうございます!」  「エ? 私が敬老に該当しているのですか?」 ショックを隠しきれない表情で 苦笑しながら「お祝い金」を押しいただきました。 ありがたいことです。 

 中身の程はナイショですが、何よりの記念として私は

 パヴァロッティ演じる ドニゼッティのオペラ 「愛の妙薬」 のDVDを購入させていただきました。

1981年ニューヨーク メトロポリタン歌劇場でのライヴ映像、パヴァロッティ45才、全盛期の輝かしいパフォーマンスの2時間10分は、居ながらにしてオペラを堪能できる至福のひと時となりました。

 TVの前の回転椅子に陣取れば、草の庵も もはやオペラハウスのロイヤルボックスに早変わりです。 

これは既に廃盤のDVDで、インターネットショッピングでやっと手に入れました。

 9月6日にも学区連合町内会から お弁当やお菓子などの記念品に、小学1年生の 「おじいさん、おばあさん、いつもわたしたちをみまもってくれて ありがとう。 わたしたちのしょうがっこうは、とてもたのしいしょうがっこうです。あそびにきてください。」 と可愛い手紙を添えて届けられました。

 ひ孫のような小学1年生から 「見守ってくれてありがとう」 と云われる事よりも、独り居の私にとっては、逆に世間さまから見守られている と云う事に心温まる思いがした事は云うまでもありません。

 戦禍をくぐり、激動の世の中を渡り、いまここに息災でいられることに感謝して、周囲には出来るだけ迷惑を掛けない余生をどうしたら過ごせるでしょうか?

 朝日新聞出版の絵本 「フレディの遺言」 の中のフレディのアドバイス 「自分のボケを防ぐために」 から、元気な老人の共通する 10の生活習慣を掲げ、転ばぬ先の杖としたいと思います。

① 天気の良い日には散歩をする

② 魚が好き

③ 生活習慣病の治療をしている

④ こころがときめく人がいる

⑤ 栄養状態がよい

⑥ よく外に出かける

⑦ 好きな趣味がある

⑧ 寝たきりになっていない

⑨ 自分なりのストレス発散方法を持っている

⑩ 心身だけでなく、経済的にも自立している

 この中、9つ実践できればボケる事は無いと、フレディ松川先生はおっしゃっております。

     独り居の祝がれて泰き敬老日

     (ひとりいのほがれてやすきけいろうび)

     喜寿さわやか寡婦を通して半世紀

     (きじゅさわやかかふをとおしてはんせいき)

     メールもて喜寿寿がれ赤とんぼ

     (メールもてきじゅことほがれあかとんぼ)

     今更に急く事は無し敬老日

     (いまさらにせくことはなしけいろうび)

     転ばぬを信条とせり敬老日

     (ころばぬをしんじょうとせりけいろうび)

 老人なんて言わないでください!  年齢を重ねているだけなのですから、、

 さわやかに ラジオ体操でもしましょうか! 1,2,3,4、、、

 

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パヴァロッティ三回忌

Photo 今日9月6日は世紀の大テノール歌手、世界三大テノール歌手のひとり ルチアーノ・パヴァロッティの三回忌です。

イタリアはモデナの大聖堂では ミサがしめやかに執り行われているのでしょうか?

 一昨年の今日 パヴァロッティの訃報を NHK TVのニュースで報道された時の驚きと 云い知れぬ悲しみが昨日のことのように甦ってまいります。

国葬級とも云われる 巨匠を弔う当日の国軍機編隊飛行をクリックの上、モデナ市民のパヴァロッティの功績への賛辞と 深い悲しみの映像をご覧ください。

国軍機編隊飛行_video

二十世紀のもっとも美しいテノール、オペラの巨匠は 遠い異国イタリアの人ですが、、私にとって日常生活には必要不可欠の存在で、CD・DVDによって 常に御目文字出来ると云う事が私の心を和らげてくれるのです。

 パヴァロッティのしっとりと、のびやかに歌う O Holy Night に耳を傾けてください。 

     カンツォーネ聴きつ流星見失ふ

     (カンツォーネききつりゅうせいみうしなう)

     偲ぶれば色無き風の歌聴こゆ

     (しのぶればいろなきかぜのうたきこゆ)

     彼の歌は律の調べや草の庵

     (かのうたはりちのしらべやくさのいお)

     マエストロの忌日にすだく百の虫

     (マエストロのきじつにすだくひゃくのむし)

     彼の歌や心沁み入る三年忌

     (かのうたやこころしみいるさんねんき)

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