パヴァロッティ最悪の出来事
TVやラジオでパヴァロッティの歌を聞いて 随分と慰められた人は 世界中に何億人もいるのではないでしょうか。
「憂鬱でみじめで自殺さえしたくなる! と云う人から 救われた! と手紙をもらった時こそ たまらなく嬉しく、問題を抱えている見ず知らずの人たちを、ほんの少しかも知れないが, 救ってあげられることは素晴らしいことだ!」 と、パヴァロッティは自叙伝に書いております。
現に独り身の私も、あれこれ落ち込む時にはパヴァロッティの歌声にどんなにか救われたことでしょう!
世紀の大テノール歌手パヴァロッティにも幾つかの不幸な出来事がありました。 オペラ歌手として成功し、金銭的な悩みが消え一安心すると、別の問題が山のように待ち構えている、、と云うのです。
自叙伝 「パヴァロッティ・マイ・ワールド」 によれば、、、
’92年~93年 ミラノ・スカラ座での 「ドン・カルロ」 公演初日、アリアの大事なところでパヴァロッティ自慢の高音がひっくり返って、観客席からブーイングの嵐が浴びせられ、失敗した場面がTVで世界中に放映されてしまった事とか、以前このブログでも書いた 故郷モデナでの 「口パク事件」 の不幸な出来事なのですが、仕事の上でおきる問題は健康の問題と比べればそれほど重要なことではないと云っております。
パヴァロッティの最悪の出来事とは、1984年に末娘ジュリアーナさんの原因不明の重病のことです。 この一年間にイタリア中の病院を訊ねましたが、原因不明のまま状態がひどく悪いのが分かりながら、ご夫妻は不安を募らせ、失望ばかりが深まり、ひどく取り乱しておりました。
’68年まだ駆け出しのパヴァロッティのサンフランシスコでのコンサートを聴きファンレターを贈った17才の少女。 彼女の父親が名医であったことが、一家に明るい兆しをもたらせました。
そんなご縁で、ニューヨークの名医の執刀により手術は大成功でした。
顔の筋肉がコントロールできなくなる神経系の珍しい 「強度の筋無力症」 の診断が下されたアメリカの医師に診断を仰ぐまでの失望感や、後遺症も無く家族全員が安堵の胸を撫で下ろすまでの苦悩の数々、取り乱す様子など、愛娘を思う父親の心情を赤裸々に語る場面など真に迫り、手に汗握ります。
こう云う時ほど、健康でありさえすれば他に何もいらない! と誰でも思います。
その後ジュリアーナさんは、健康を回復し、ますます美しく その気になればポピュラー歌手としても成功するかもしれないし、体験した物理療法を学んだり,
体育のインストラクタを目指したり、いろんな才能に恵まれ お幸せそうです。
手術後、健康を取り戻した三女ジュリアーナさんと一緒にハンモックでくつろぐ父親パヴァロッティの笑顔は、ステージで歌い終えた満足感の笑顔とは異なる幸福感に充ち溢れる最高の笑顔です。
ハンモックに転び綻ぶ父と娘と
(ハンモックにまろびほころぶちちとこと)
風薫る快癒に睦む父娘かな
(かぜかほるかいゆにむつむおやこかな)
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コメント
超一流のパヴァロッティさんも「人の親」なのですね~。
最後のお写真すごく穏やかで満ち足りた幸せそうな表情をされています。
ご家族との愛情に満ちたパヴァロッティさんだからこそ情感こもった歌が歌えたのでしょうね。
やっぱり何より娘さんは宝物だったのでしょうね。人間味あふれたお話をありがとうございました。胸を打たれる秘話でした。
投稿: ゆーこりん | 2009年5月20日 (水) 16時29分
♪ ゆーこりんさま
「パヴァロッティ・マイ・ワールド」の掲載写真の中で、わたしの一番好きな画像です。
この画像をご紹介したくて今回のブログ記事となりました。 こんな素敵なお嬢さんが三人もいらっしゃったのです。
この嬉しそうな笑顔! (o^-^o)
投稿: ゆーこりんさまへ ぽちより | 2009年5月20日 (水) 17時25分