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2009年4月

パヴァロッティが税関で引っ掛かった!

有名になったパヴァロッティも、貧しかった頃の習慣は中々消えません。   たとえば、物を粗末にするのが嫌いな彼は、ある町から次の町へ移動するときには、残った食料を次の移動先へ持って行くように何年にもわたって秘書に云ってきました。 

 1995年ヨーロッパからニューヨークに自家用機で移動した一行は、ノース・カロライナの税関で、ガムテープで封印した2個の段ボール箱に不審を抱かれ中身を尋ねられました。 お抱えのマッサージ師はとっさにマッサージの機械が入っていると答えてしまったのでした。 ところが、係員に中身を見せるように命じられ、ヨーロッパから持ち込んだ大量のフルーツと野菜を見た検察官は怒り出したのです。 パヴァロッティはヨーロッパからアメリカには、リンゴ一つ持ち込んではいけない規則を知らなかったのです。 梨一個に付き100ドルの罰金を科せられ、梨だけでも2ダース、それに生ハムやサラミなどの肉類はかなり厳しく、箱いっぱいの食料を2箱も持ち込んだのですから サァ大変!

 税関の職員に一行の食料を全部取り上げられたのでした。

知らなかったとは言え、法律違反を犯した為に、税関の職員達から 食物の害虫や病気がアメリカに持ち込まれると大変な事態を巻き起こす事になると、延々とお説教をされ、寛大にも罰金を全く徴収されること無く解放されました。

 Photo  「そんな危険な事とはつゆ知らず、いつもこの愛するアメリカに私は、病気の種を運びこんでいたのかと深く反省しました。 こう云う事に私はうといのです。 桃を見れば桃を食べることしか考えられなくなる人間なのです」、、と。

 税関で引っ掛かるのは生ものだけではありません。

パヴァロッティは、アメリカで手に入れたコーヒー用の粉末のクリームは、大のお気に入りでたくさん買い込み、公演旅行に安全で持ち運びに便利な大きなプラスチックの容器に詰め替えるのです。

 この白い粉を税関の検査官が見つけたとき、何と勘違いされたかは云うまでもありません。  若い係官は 「ノリエガ将軍以来の大物麻薬運び人を捕まえた!」 と思ったに違いありません。 この検察官はどうやら任務について間もなかったらしく、彼はこの粉をなめて、コカインであると信じて疑わなかったのです。 彼はコカインがどんな味かも知らないのに、さも知っているかのようなフリをして、興奮して騒ぎ出したのです。 パヴァロッティは、自分はそんな危険な麻薬を持ち込んでいるのではないと懸命に説明し、証明されるまでは相当な時間がかかったと述懐しております。

     日永くて世にさ迷ふてカンツォーネ

     (ひながくてよにさまようてカンツォーネ)

 余談ですが私の場合 海外での入国審査で、菓子袋を開封するために手荷物バッグに忍ばせた5センチ足らずの和バサミ(糸切りバサミ)が引っ掛かり没収された苦い思いをしたことがありました。

 この記事冒頭の 1997年ダイアナ元皇太子妃追悼歌を歌ったイギリスのロック歌手 エルトン・ジョンとパヴァロッティの幅広い意外な組み合わせ共演の動画(You Yube) いかがでしたか?。

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パヴァロッティのおまじない

楽器などの演奏家に比べて歌手に限っては、ちょっとしたミスでも目立ってしまうので、本番前にはひときわナーバスになるそうです。

三大テノールのひとり、ホセ・カレーラスは特に神経質のために、上演前のストレスはその日の朝から始まるそうで、公演の朝、最初に話す声の調子によってその日の声が大丈夫であるか解るのだそうです。 直前には震えが止まらないほど緊張する大物歌手もいるのだそうです。

 天真爛漫に見える世紀の大テノール歌手のパヴァロッティも、ジンクスを信じたり、自分だけの魔除けを考えて、舞台の成功を祈願しておりました。

 Photo タキシードのパヴァロッティがオペラ上演以外、いつも左手に持って離さない大判の白いハンカチは、そもそも1973年ミズーリでの初コンサートで、汗を拭くのに初めて手にして歌い、ハンカチを持ってステージに出ると気分が良いのに気づいて以来、実用と縁起を兼ねるようになり、トレードマークとなりました。

 DVDや写真をよく見ると、左手の指の付け根あたりに くくり付けているようにみえます。

 知られざるもう一つの魔除けに、曲った折れ釘を信仰しているなど信じられない一面を覗かせます。

これが無いと良く歌えないと云って、ポケットにはいつも折れ釘を大事そうに入れているのです。 そんなことが知れ渡り、次第にファンからプレゼントされ、家には膨大な釘のコレクションがあったそうです。

 1987年ナポリでのコンサートの直前、いつものように舞台裏で曲った釘を探したものの、その夜は小さな釘が見当たらず、取りあえずそばにあったもので我慢するしかありませんでした。 15cm以上もある大きな釘で、それをズボンのポケットに入れました。 ところがステージに出て歌っていると、その釘がズボンの生地を突き抜けて外に突き出したのです。 下を向いた時にそれに気付き

「シマッタ!」 と思ったと同時に その事が新聞記者に気付かれてしまったのです。 「これは! ひどい事を書くぞ! そしてその記事があちこちの新聞に載ってしまうのか!  これまでは非常に寛大だった報道機関は、この失敗をかくも大きな事件にしてしまうから、神経質になってしまうんだ! マスコミはここ数年もっぱら引きずりおろす事に懸命になっているように見える!」

と云いながらも、パヴァロッティ自身 そう云う渦中にいるのは嬉しい事だとも云っているのでした。

  ある時、オペラの舞台でポケットの折れ釘が引っ掛かって、膝を怪我してしまった事もあったそうで、これでは何の為の魔除けだったのでしょうか?

 Photo_2 リハーサルで、ハイC音を外してしまい、思わず舌をペロリ! の瞬間でさえ、報道記者には絶好のネタになって仕舞うのでした.

いつも首に巻いているエルメスのスカーフは、おまじないではなく、オシャレのためとか、巨体を隠すためとか、咽喉を保護するためとか云っているのですが、体に何か巻きつけるのは、体型を隠したい深層心理からのようです。 この心理は私にはよ~く理解できます。

     歌い上げてハンカチ振れば風光る

     (うたいあげてはんかちふればかぜひかる)

 荒川静香さんはトリノオリンピックでの氷上の舞に挑戦した時には、どんな 「おまじない」 をしたのでしょうか?  あの時の感動をお楽しみください。(You Tubeより)

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探し求めたお気に入りのブーツ

 パヴァロッティがロンドンで買った大のお気に入りの短いブーツは、デザインも履き心地も気に入って, 他のどんな靴よりも愛用し, 一年で履きつぶしてしまったのだそうです。  (画像の靴がそれであるかは定かではありませんが、パヴァロッティが履く靴の画像が今のところこれしか見当たりませんでした)

 Photo  同じものを何足か欲しいと思ってはいたものヽ どこの店で買ったのかは覚えがありません。 ロンドンでの仕事の折、あのブーツを求めて以前行った事のあるすべての靴屋を訪ねましたが見当たらずがっかりしたのでした。

 ある日, ロンドンの田舎に住む友人に招待され、友人宅に向かう車の後部座席から一軒の靴修理屋のショーウィンドウに、紛れもない探し求めていたブーツを見つけたのです。 運転手に車を止めさせて、「よくもまぁ同じブーツだ!」 と、秘書と大はしゃぎしたほど興奮したのです。

 「私の眼に狂いは無かった。 どうやらサイズも私にぴったりのようだ。私は嬉しくてたまらなかった!  ところが 『定休日』 で店は閉まっている。 手を伸ばせば届くところにあるのに、、、 なんとしても手に入れたい。 これを逃したら二度と目にすることはないだろう。 自分に合う靴はめったに見つからず、靴では痛い思いをしているのです。」

 暗い店の中をのぞくと、奥の方にかすかな明かりが見える。しばらくドアをノックし続けると, 男の人が出てきてドアをほんの少し開けて 「今日は定休日です」と云って取り合ってくれないのです。 パヴァロッティは 「イタリアから来た者で、長いこと探し求めていたブーツです。しばらくはここへ来る事がないから、是非売って欲しい」 と懇願しましたが、「今日は定休日だから、、、」と、信じられない断り方だったのです。  二倍の値段を払うから と交渉したのに売ってはくれなかったのです。 どうしたら靴屋の気持ちを動かせるのか? 定休日には物を売ってはならない宗教上の規則でもあるのでしょうか?

パヴァロッティはいらいらして、とりあえず店の住所をメモしてホテルに戻ったのでした。

 2  ところが幸運にも簡単な方法で念願のブーツを手に入れる事ができたのです!

 ホテルに戻り、すぐさま秘書が小切手を靴屋に送ったのです。  数日してイタリアの自宅にちゃ~んとブーツが送られてきたのでした。

    めでたし!  めでたし!!

 イタリアは靴の国ですから、誰にもぴったり合う靴が即座に手に入れることが出来ると思いきや、パヴァロッティのように 『自分に合う靴はめったに見当たらない!』 とは、、、

 自分の足に合う靴の事では、私も長年悩み続けてきましたが、数年前にドイツ製の実用的でちょっと頑固なデザインですが、履き心地の良い靴に出会って以来、(三度の食事は二度に減らしても、、) 愛用しております。 なにせ足から衰える後期高齢の身、靴だけは慎重に選ぶことにしております。

     靴脱いで足裏を冷ます花疲れ

     (くつぬいであうらをひやすはなづかれ)

 

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パヴァロッティ買い物至難の業

有名人になるとプライベートで買い物楽しむ事は至難の技で、ましてや世紀の大テノール歌手ともなれば、特別警備の人たちが返って問題の原因になる事が多いのだそうです。  たとえば地元の人たちが街中で特別警官を見かけると、背後に有名人がいると思って、駆け寄って覗きこみ、たちまち大勢のヤジ馬に囲まれてしまう。  警官はヤジ馬から守るのが仕事なのに、これではわざわざヤジ馬を助長しているようなものです。

 Photo パヴァロッティは、’95年 南アメリカ・ツアーではどこへ行っても観客は熱狂的なあまり、ホテルから一歩も外に出られない程だったのでした。 ホテルの囚人になるのはご免とばかり、なんとかホテルから抜け出して買い物に出たいと、いつも密着する特別警官に内緒で秘書たち三人で裏口非常階段を降り、何とか見つからずに街の通りに出ることに成功した そのたった数分間だけでもパヴァロッティは自由と云う快感を味わったと云います。

ところが、店に着いたところで計画は見事に頓挫したのです。 買い物もしないうちに警官が慌てて店に飛び込んできて、無断で外出した事を叱り、警官たちに囲まれてまるで犯人連行のように、何も買い物すらできないままホテルに連れ戻されたのです。

 店に飛び込んできた警官たちも大変興奮していたし、彼らに付いて、多くのヤジ馬も店に押し入ってきたのです。 ここではパヴァロッティと云う事も、テノール歌手だと云う事すら知らないはずで、みんなが騒いでいる事に興味があるだけのようでしたが、南アメリカの人々の反応は好奇心と呼ぶには余りにも強烈だったようで、「生まれて初めて恐怖を感じた!」 のだそうです。

 海外に行くと買い物をするのがお好きのようですが、突然 衝動買いをしてしまい、衝動買いをして手に入れた物ほど大切にするそうです。

その一つに、たまたまパリの空港で見つけたエルメスのスカーフが、かなり高額でしたが、とても気に入って衝動買いをしてしまったのでした。 気に入って手に入れたものですから、何年も毎日 首に巻いて愛用したのだそうです。 当時の秘書は、パヴァロッティ愛用のスカーフを毎晩、柔軟洗剤のウーライトで洗ってくれるのです。 彼はきれいなスカーフが毎朝出迎えてくれないと気が済まないほどでした。

Photo_2    この画像は甥のニコラ君とボート操舵を楽しむ 

  こんな時ですらスカーフで声帯を保護しているのでしょうか?

 鮮やかなエルメスのスカーフをまとって気持ちよさそうに歌う

「O Holy Night」 の動画(You Tubeより) をお楽しみ頂けましたでしょうか?。

豊かな髭面、と鮮やかな色彩のスカーフがトレードマークが、いかにも「イタリアの太陽」 そのものですね。

        スカーフに首すくませて花の冷え     

     (スカーフにくびすくませてはなのひえ)

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