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北京オリンピックと「大地の子」

Photo  国の威信と巨額の資金をかけ、これでもか、これでもか!と、大規模な北京オリンピック開催の映像を目にして、山崎豊子著 「大地の子」 に描かれた、当時の、情報閉鎖国家の中国での7年8ヶ月もの並々ならぬ取材の模様を、克明に描かれた 山崎豊子著 「大地の子と私」 を興味深く何度も読み返し、この十数年のギャップを禁じ得ることができませんでした。

 ご自身が、自国の官僚主義に敗れ散っていった、胡耀邦中国共産党総書記の肝入りで、厳しい壁にはばまれ、幾多の抗議を受けながら、当時外国人としては初めて現地実地の取材に基づいた 「大地の子」 の著者の述懐が綴られております。

 取材の一つに、当時の刑務所での事、囚人用のベッドシーツが、山崎豊子さんの宿舎の北京飯店よりもきれいなシーツが、ずら~っと敷いてあったり、囚人の食卓にはたっぷりの豚肉が、、、 そして、清潔そうな浴室の配管部分にうっかり手が触れた途端、べったりとペンキがついてしまったり等々、すべてが取材見学のために、急きょしつらえた事が書かれております。

 「大地の子」 は小説でありながら、明らかにされにくい日中の歴史が血の滲む思いの取材に基づいた作品です。

    「大地の子」 読破に悲涙夜半の秋

Photo_2  「大地の子」 の構想が生まれ、中国取材の壁は高く険しくも、当時の中国共産党総書記・胡耀邦さんは、「中国を美しく書いてくれなくてもよい、中国の欠点も暗い影も、それが事実であれば 」とおっしゃり、未開放地区のホームステイの許可さえいただき、

小説の主人公 「陸一心」 が、死に瀕する妹あつ子とやっとの思いで再会する場面も、想像を絶するほどの貧農生活の実態や、宝山製鉄所の完工に至るまでの日本と中国の現実を容赦なく書いた 「大地の子」 を刊行して十数年の間に、中国の発展は目覚ましいものがあります。

 折もおり、8月17日 TV NHKスペシャルで、日中戦争での関東軍の暴走を 「阿片(アヘン)」が支えていたと云う知られざる戦争の実態が放映されました。

 そして昨日8月30日 「毒入りギョウザ事件」 も中国側の仕業という解決に向けて大きな前進が見られたとのニュースも飛び込みました。

 「それが事実であれば、有りのまヽを書いて欲しい」 とおっしゃった 胡耀邦さんの言葉を重く信じて止みません。

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コメント

こんばんは!ぽちさん。
「大地の子」は(未読ながら)とても有名なので私も存在を知っていましたが「大地の子と私」という後述の著書もあったのですね。ぜんぜん知りませんでした。興味深いです。
「有りのままを書いて欲しい」と述べられたという胡耀邦さんというかたは、隠し立てをしないずいぶん懐の深いというか、すごいかたですね。きっと母国を愛していたからこそでしょうね。何事も隠し事が多いとどこかでほころびが生じ、内部から崩壊してしまいそうな危険性を感じてしまいます。考えさせられました。

投稿: ゆーこりん | 2008年9月 1日 (月) 00時20分

♪ ゆーこりんさま
 コメントありがとうございます。
私はこの時期になると何故か「大地の子」を読みたくなるのです。 「大地の子と私」は、偶然図書館でみつけました。 足かけ8年の、岩に爪を立てるような険しい取材の後述談で、当時の中国を知りました。

 今回のブログは私らしくない重い記事になってしまいましたが、胡耀邦さんの真実の言葉に魅かれて投稿してしまいました。 dog

投稿: ぽちより ゆーこりんさま | 2008年9月 1日 (月) 08時53分

 ぽちさんへ                 ご無沙汰致しました。
 昭和48年に「華麗なる一族」を読んだ際、よくぞここ迄銀行の内部調べて書かれたなと驚きました.「大地の子」も涙なくしては読めない素晴しい作品でした.                    私は8月15日は「敗戦の日,無条件降伏の日」と子供や孫に話して来ました。この8月15日の昼食時に社員と話しましたがこの日を直接に知っている人は一人も居りませんでした。あの日も随分遠い日となってしまったとつくづく思いました。    青春時代の思い出を共有できる親しい人達も少なくなっていきます,寂しいことです・・・ 
、           

投稿:  ライムライト | 2008年9月 5日 (金) 18時31分

♪ ライムライトさん
お元気でしたか? 二ヶ月半振りですね。

 情報閉鎖国家の当時の中国の取材、 本当によくぞここまで、、、と驚くばかりです。
「大地の子」は何度読んでも読み応えがあり、葬り去ってはならない。戦争は罪です。
読む度に心底泣きます。

投稿: ぽち | 2008年9月 5日 (金) 20時06分

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