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ロシア世界遺産の旅 ~10~

 ロシアでのイコン画を学ぶ筈が、断腸の思いで帰国を余儀なくされた山下りんは、ペテルブルグより国際列車に乗り、ドイツのベルリンへ、ケルンを経てフランスのパリへ、 マルセイユから就航して地中海をイタリアのナポリに寄港しつゝ 往路を逆に日本にたどり着きました。

 帰国途中の汽車では、ベルリンと思い込み手前で降りてしまったり、フランスでは、凱旋門を見に行き帰り道で迷子になったりはしたものゝ、目にする景色すべてに興味津々、自らが画中に迷い込んでいるような錯覚に捉われていたようでした。 

 明治15年頃に遠い異国での若き女一人旅の行動力の何と凄いこと!!

Yamasita_rin2  帰国後のりんは、神田駿河台にアトリエを与えられ、全国各地に竣工された教会の為に、イコンの制作にいそしむこととなりました。

その後は解っているだけでも 300点 は下らないイコン画に現在も信徒たちに愛され活き続けております。

Rin3_sanmiittai

  1889年、岡崎教会へのイコン制作をかわきりに、その後1913年までの25年間 各地の教会のためにイコンを制作し続けました。

Seisyosasie   イコンはすべて模写ですが、元の絵を模写しながらも、細部に自己表現を試み、どこか日本的なイコンを描いております。

Yamasita_rin1  1918年 (大正7年) 61才の時、故郷の笠間に帰り、絵筆も持たず、過去の事も 愚痴も云わず、野菜を作り 野花を摘み、尋ねる人も無い生活のようでしたが、少しも退屈する様子も無く楽しそうに暮らしていたと云います。

 毎日晩酌を楽しみながら、81歳の天寿を全うし      1939年 (昭和14年)1月26日逝去されました。

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旅と俳句」カテゴリの記事

コメント

ぽち様
模写とは言え 優しさの心が伝わる
美しい作品ですね。機会があったら是非
この眼で作品を見てみたいと思います。

投稿: ふじ子 | 2007年12月17日 (月) 21時30分

♪ ふじ子さま
これが模写か? と思われるほど緻密な描写、
色彩感覚、絵の鑑賞知識の無い私にも 
たとえ画像からでも りんさんの
絵の素晴らしさに胸を打たれます。

 笠間市の白凛居資料館に 関係する資料が収められているそうです。 機会があれば行ってみたいですね。  コメント有難うございます。

投稿: ぽち | 2007年12月18日 (火) 09時25分

画も素晴らしい。生き方そのものも力強くたくましい。そして、決して派手でないりんさんの晩年にも心引かれるものを感じました。りんさんをご紹介してくださってありがとうございました。このかたはマスコミにいじられなくてかえってよかったような気がします。知る人ぞ知る偉人のおひとりですね、きっと。

投稿: ゆーこりん | 2007年12月27日 (木) 08時31分

♪ ゆーこりん さま
 コメントうれしく拝見しました。
おっしゃる通り素晴らしい偉人ですね。
 明治時代にこんな生き方をされた女性が日本に居たのです。
 愚痴も言わず、少しも退屈する事もなく楽しそうに晩年を暮らす 私の理想とするところです。
 

投稿: ぽち | 2007年12月27日 (木) 09時21分

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