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おばあちゃんは俄か陶芸家?

 2000年 平成12年 90歳の母はその前年に大腿骨骨折の治療、リハビリも無事に終えて私の介護の許で余生を送ることとなりました。

体力の衰えに加え 認知症の兆しも顕著になって、好きな編み物も儘ならなくなった2002年、母92歳の春、私の作陶練習の傍ら 母も粘土遊びを楽しむようになりました。

 はじめは恐る恐る粘土を丸めたり、のばしたりするのみで、母にはちょっと無理かしら? と危惧しておりましたが、次第に土の感触を掴めたらしく、手ロクロをゆるやかに廻しながら 100gほどの粘土で小さな雑器を作り始めたのでした。

 一塊の粘土がなんとか形になるまでには、小半時もかかりましたが、じっくりと構えてのその姿に 「まるで陶芸家みたい!!」 と傍らでおだてられて、得意満面の母は、見違えるようにあかるい表情を見せるのでした。

 Tougeika

 毎朝私の腕につかまっての散歩から戻ると、自分で前掛けを〆たり、腕カバーをはめて粘土遊びの準備をし、ロクロの前に座り家事に忙しい私を促して粘土をねだるのでした。

湿らせたタオルに100gの粘土4個を大事そうに、ロクロの前にどっかりと腰を下し ひたすら作陶に励むのです。

こんな時の母は、真剣そのもの。 92歳の俄か陶芸家?の一日が始まるのでした。

       作陶の老母は一途よ蝉しぐれ

       母の手の陶土自在に春動く

       作陶の無心の母よ春日和

       春萌す老母は俄か陶芸家

       興尽きぬ作陶母の手の温し

 ふたつとして同じものが無いほど歪な 母の手び練りで、春、夏、秋の間に500個ほどの雑器が所狭しと並びました。

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